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国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP・FI)特別顧問の末吉竹二郎さんは2018年、仲間と共に官民組織の気候変動イニシアティブ(JCI)を立ち上げた。約680の企業や自治体、非政府組織(NGO)が参加し、末吉氏が代表を務める。21年4月に新聞の意見広告で、日本政府を先取りする大幅な温暖化ガス排出削減を提唱。「生き残りをかけたグリーントランスフォーメーション(GX、環境重視の社会改革)の競争が始まった」と語る。

――地球環境問題に危機意識を抱くようになったのはいつからですか。

「小さいころから自然が好きでしたが、銀行に勤めていたころはビジネスの中で自然や環境について考えたことはありません。ブラジルのリオデジャネイロで地球サミット(国連環境開発会議)が開かれた1992年、私は2回目のニューヨーク赴任中で、さまざまな開発案件にプロジェクトファイナンスでお金を貸しまくっていました」

「98年に東京三菱銀行信託会社を辞めて日興アセットマネジメントの副社長に就任、転機が訪れました。2000年11月にUNEP・FI主催の円卓会議がフランクフルトのドイツ銀行本店で開かれ、日興アセットが招かれ私が講演することになったのです」

国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問 末吉竹二郎氏

国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問 末吉竹二郎氏

「日興アセットは99年に日本初の環境商品であるエコファンドを発売しました。私が日興に移る前から企画が進んでおり、最初から関わったわけではありませんが、国際担当の副社長として販売したところ、若い人や女性に買っていただき予想を上回る売り上げになりました。うれしい計算違いでした」

「フランクフルトの会議ではそのことを話して『素晴らしい』などとおほめをいただいたのですが、私にとって衝撃だったのは、当時のドイツ銀行頭取ロルフ・ブロイヤー氏のスピーチでした。金融が地球環境の改善にいかに大事かを、とうとうと30分ほど話されました」

「欧米の金融機関幹部が300人ほど集まっている場です。そこで環境問題について熱心に議論している。頭取の話を聞きながら、日本の金融界のトップにこういう話を世界に向けて話せる人はいるだろうか、と自問したのです。彼我の大きなギャップを感じました」

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