Men's Fashion

デニム地のスタイリッシュ作業服ヒット ワークマン

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2022.6.27

「PRO CORE」シリーズは黒いマネキンを使い、展示でもスタイリッシュさを演出(ワークマンプロ板橋前野本通り店)

ワークマンの作業服「PRO CORE(プロコア)」シリーズが好調だ。2021年に本格展開を始め、同年の販売実績は3つのモデルで約120万着と年10万着販売できればヒット商品としている同社でも異例の走り出しだ。普段も着られるようなデニム生地などスタイリッシュなデザインが特徴で、従来は取り込みが弱かった35歳以下の若い世代や、作業服にもこだわりを求める職人の需要をつかんでいる。




プロ職人向け店舗「WORKMAN Pro(ワークマンプロ)」に入ると、すぐ目に付く一画にGジャンとデニムのパンツがずらりと並ぶ。よく見るとパンツの膝部分は立体構造で、ジャンパーの腕部分には作業服にお決まりのペン差しも付いている。

動きやすさと摩耗への強度を確保

一見普段着に見えるプロコアシリーズだが、建設や土木現場の作業でしゃがんだり腕を上げたりしやすいようストレッチ素材を使い、立体構造で動きやすさと摩耗への強度を確保している。

ポケットは入れた物が落ちないよう多くをチャック付きに。高所作業で義務とされているフルハーネス(墜落制止用器具)をつける肩や背中や腰には、内側からクッション性のある生地で補強し負担を軽減している。

ワークマンがプロコアシリーズで作業服をおしゃれに着こなす「スタイリッシュ作業服」に参入したのは20年。21年8月から順次、低価格帯や標準、最上位モデルをそろえ本格展開を始めた。

同社は「職人の店 ワークマン」としてスタートしており、汎用の作業服のシェアでは国内首位だ。一方で従来の作業服に対して「汚い」「ダサい」などのイメージを持つ若手の職人もいて、40~50代に比べ20~30代は取り込みが弱い面があった。

こうした若者の取り込みへ着目したのがスタイリッシュ作業服だ。これは近年、若手の職人を中心に人気が高まっていた。同分野は流行があり在庫調整が難しく、社内にも知見が少なかっため、同分野でブランドを持ち建設業界の専門アドバイザーである元トビ職人の山下幸一氏を起用し、商品開発に着手した。