日経プラスワン

写真はイメージ=PIXTA

軽症の初期には炎症や免疫反応を抑えるステロイドの塗り薬のほか、抗アレルギー作用のある飲み薬などを併用することが多い。成人で脱毛範囲が小さい場合はステロイドの局所注射も推奨される。

重症の場合は患部に化学物質を塗ってかぶれを起こし、別のTリンパ球を呼び寄せることで、免疫のバランスを整える局所免疫療法が行われる。ただ、伊藤病院教授によれば「円形脱毛症患者の約4割はアトピー性皮膚炎を合併しているため、かぶれを起こす治療が難しい場合もある」という。

そうしたなかで今年6月、中等症以上のアトピー性皮膚炎の治療に使われてきたバリシチニブが、一定の条件を満たす難治性の円形脱毛症にも適応となった。同薬は炎症や異常な免疫反応に関与する物質の働きを阻害する作用などがある。治療が受けられる医療機関は限られるが、局所免疫療法が難しかった人や効果が感じられなかった人には、新たな治療の選択肢となる。

円形脱毛症は自然に治ることも多い一方で、治ったあとに再発を繰り返すこともある。斉藤院長は「脱毛の悩みを家族にさえ打ち明けにくいという人も少なくない。そんなときには医師とよく話をしたり、患者会などで同じ経験を持つ人と語り合ったりすることで不安が軽減できることもある」と話している。

(ライター 田村 知子)

[NIKKEI プラス1 2022年8月20日付]

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