たき火の魅力を味わう 火おこしも挑戦「できた」喜び

日経プラスワン

たき火でマシュマロを焼いて楽しむ(埼玉県戸田市)=遠藤 宏撮影

冬のアウトドアというと、たき火が楽しみな人も多いだろう。火おこしに挑んだり、炎を見つめて思索にふけったり。場所ごとのルールを守りながら、満ち足りたひとときを過ごそう。

昨今のキャンプブームもあり、冬に出かけ、たき火の魅力を味わう人が増えてきた。火をおこすことから始まり、炎を大きくしていく。最終的には炎が落ち着き、おき火の状態になる。それぞれの段階でいろいろな楽しみ方があるのが人気の理由なのだろう。

最初はやはり火おこしだ。現代版火打ち石「ファイアスターター」を使ってみよう。金属製の棒と薄い板状のものがセットになっており、強くこすり合わせて火をおこす仕組みだ。アウトドアショップやインターネット通販で1000円前後から買える。

燃えやすい麻ひもをほぐしたものを用意し、火花を飛ばして種火をつくる。そこに小枝や細く割ったまきなど「たきつけ」をのせ、徐々に太めの枝を加えて炎を大きくしていく。安定してきたら、まきをくべて火を移す。これが火おこしの基本的な流れだ。

火おこしを体験する機会は普段なかなかないうえ、自分の腕だけでできた達成感も相まって、この作業自体がやみつきになる人もいる。災害が起きて電気やガスに頼れないときなど、この技が役に立つ場面もあるだろう。慣れないうちはライターなどの着火道具を持参しておくと安心だ。

まきにしっかり火がつき、強火の状態になったら、次は「焼きマシュマロ」を試してみよう。バーベキュー用の長めの竹串にマシュマロを刺して、遠火であぶっていく。火に近づけすぎると、マシュマロが燃えたり、溶けたりしてしまう。一方、怖がって遠すぎてもなかなか焼けない。工夫しながら、自分で焼いたマシュマロの味は格別だ。

炎が落ち着いて、おき火の状態になったら、焼きイモはどうだろう。もう炎がみえなくても、700〜800度ほどはあり、火力は十分だ。ぬれた新聞紙でサツマイモをくるみ、さらにアルミホイルで包んで、おき火に投入する。時々動かしながら20〜30分加熱すればできあがりだ。

火おこしの作業からグルメまで魅力の詰まったたき火だが、どこでも自由にできるわけではない。火災防止、環境保護、近隣住民への配慮などの観点から、法令で禁止になっているエリアも多い。特に都市部の住宅密集地では簡単にはいかない。

たき火をしたいが、場所探しはどうすればいいのか。まず考えたいのはインターネット検索だ。たき火、地域などのキーワードを入れて探してみると、バーベキュー場や公園、河川敷、キャンプ場を中心に、たき火可能な場所が見つかるかもしれない。

ただし個人のサイトやSNS(交流サイト)では情報が誤っていたり、古かったりする可能性がある。冬は閉鎖しているところもある。必ずそれぞれの場所の公式サイトを閲覧し、電話やメールなどで問い合わせて確認したい。

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