6位 ヒストリエ
420ポイント 古代ギリシャ舞台 重厚な物語
©岩明均/講談社

古代ギリシャ、マケドニアのアレキサンダー大王に書記官として仕えたエウメネスの生涯を描く。有力者の次男として何不自由なく暮らしていたが、ある奴隷の起こした事件をきっかけに環境が一変するところから物語が始まる。

「主人公の不明部分を創作によって補いつつ、当時のユーラシア西部世界を広く捉え直している」(田中良英さん)、「淡々とした絵にシンプルな感情表現のおかげで、重厚な物語がサクサク読める」(渋谷孝さん)。「アフタヌーン」で連載中。

①岩明均②講談社③既刊11巻④713円⑤ギリシャ・紀元前

7位 逃げ上手の若君
410ポイント 鎌倉から室町 知られざる人物描く
©松井優征/集英社

室町幕府の初代将軍となった足利尊氏(高氏)に対抗し、滅ぼされた鎌倉幕府の再興を目指した北条時行が主人公。突然の謀反で故郷も家族も失い、信濃国の神官・諏訪頼重にかくまわれた彼が自らの逃げ隠れの才能を武器に奔走する。

「北条時行って誰?というところから読み始めたが、ギャグとシリアスの融合でテンポよく、楽しく読める。(歴史学者の)本郷和人さんの歴史コラムもついており、勉強になる」(黒松さん)。「週刊少年ジャンプ」で連載中。

①松井優征②集英社③既刊2巻④484円⑤日本・鎌倉、室町時代

7位 ヴィンランド・サガ
410ポイント 世界を席巻 ヴァイキングの生きざま
©幸村誠/講談社

11世紀のヨーロッパを舞台に、当時世界を席巻したヴァイキングの生きざまを描く物語。幼い頃に父親を殺された主人公トルフィンは復讐(ふくしゅう)を果たすため戦士となり、やがて幻の大陸と呼ばれた草原の地、ヴィンランドを目指すようになる。

「教科書では詳しくは書かれないヴァイキング。取材と想像力によって主人公の人生を立ち上がらせる、まさに歴史マンガの醍醐味を体現している傑作」(松岡賢治さん)。アニメ版もシーズン2の制作が発表された。「アフタヌーン」で連載中。

①幸村誠②講談社③既刊25巻④726円⑤ヨーロッパ・中世

9位 新九郎、奔(はし)る!
380ポイント 北条早雲 新たな視点で
©ゆうきまさみ/小学館

戦国大名の先駆け、北条早雲の名で知られる伊勢新九郎(盛時)が主人公。下克上で成り上がったイメージがある人物だが、近年の研究に基づいて室町幕府の要職に就いた伊勢氏を出自とする説をとっている。名門の出でありながら、時代に翻弄されるなかで戦国大名と呼ばれるようになっていく姿を描く。

「飄々(ひょうひょう)としたキャラクターたちが生き抜く姿が格好よく、知識量、読み応えがあって断トツにオススメ」(山内歩さん)。「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中だ。

①ゆうきまさみ②小学館③既刊8巻④693円⑤日本・室町、戦国時代

10位 阿・吽(あうん)
260ポイント 最澄と空海、対照的なふたり
©おかざき真里/小学館

比叡山延暦寺を建てて天台宗の開祖となった最澄、弘法大師の名で知られる真言宗の空海。平安の世に登場して仏教に大きな変革をもたらした対照的なふたりの歩みを描く。

「ふたりの描き方の対比が素晴らしい。両者とも当時のイノベーターだったんだなと感じた」(山内康裕さん)。「圧倒的かつ繊細な画を見るだけで、ふたりのストイックさが強烈に伝わる」(書店員すず木さん)。「月刊!スピリッツ」で2014年に連載を始め、今年完結。最終巻が9月に発売された。

①おかざき真里、阿吽社②小学館③全14巻④750円⑤日本・平安時代

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