丸藤葡萄酒甲州シュール・リー 産地からワイン文化発信

2021/10/31
丸藤葡萄酒の「ルバイヤート甲州シュール・リー」は辛口の白ワイン

日本を代表するブドウとワインの産地、山梨県甲州市勝沼町。JR勝沼ぶどう郷駅から車で10分ほどブドウ畑の中を走ると、築約150年の古民家を改装した丸藤葡萄(ぶどう)酒工業の建物が出迎えてくれる。

創業1890年(明治23年)。創業者の父親はメルシャンの源流となったワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」設立時に、出資者の一人として名を連ねた人物だ。

築約150年の古民家を改装したワイナリーの建物

もともと生活のために始めたワイン造りだったが、現在の大村春夫社長(当時は専務)が1977年にフランス留学から帰国したのを機に、世界に通用するワイン造りを目指すようになった。

留学で学んだ醸造技術を持ち込んだほか、「日本が世界の銘醸地となるため」という考えのもとメルシャンが惜しまず技術を開示してくれた。その技術や製法も積極的に取り入れ、試行錯誤を重ねてきた。なかでも、「シュール・リー」製法は甲州のワイン造りに大きな影響を与えた。

仕込んだワインを樽で熟成させる

シュール・リーはフランス語で「澱(おり)の上」を意味する。「かつて、発酵が終わった白ワインは、澱のにおいがつかないよう沈んだ澱を早めに取り除くようにと教えられた」と大村社長は打ち明ける。逆にシュール・リーは澱を取り除かずに熟成させ、徐々に分解する澱からうまみを引き出す。