SNSに取って代わる可能性も

「もう一つの世界」であるメタバースの魅力はどこにあるのだろうか。岡嶋氏の定義に「自分にとって都合がいい快適な世界」とあるように、メタバースでは、現実にあるさまざまな制約や限界が取り払われ、快適で幸福な人生を「生き直す」ことができる。

今もSNS(交流サイト)で現実とは異なる人格や人間関係の中で生きられるが、最新技術でどっぷり浸かれるメタバースならば、よりリアリティーをもって快適な環境で生活できる。その意味で、メタバースはSNSに取って代わるものになる可能性がある。

メタバースのおかげで、これまで眠っていた才能が開花したり、有益なアイデアが続々と生まれたりするようになれば、文化や社会の進歩にもつながる。普及を心待ちにしたい。

今回の評者 = 吉川 清史
情報工場SERENDIP編集部チーフエディター。8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」の選書、コンテンツ制作・編集に携わる。大学受験雑誌・書籍の編集者、高等教育専門誌編集長などを経て2007年から現職。東京都出身。早大卒。

メタバースとは何か

著者 : 岡嶋 裕史
出版 : 光文社
価格 : 902 円(税込み)