名瀬さん「ほかの道府県では動きはあるのですか」

公立高校の男女別定員は福井県が99年度入試で廃止し、東京だけになりました。公立と私立の間の定員協議は多くの道府県で行われていますが生徒の争奪戦が激しくなる中、公私の意見が対立する場面が増えるかもしれません。

群馬、栃木、埼玉の3県にはそれぞれ公立の男子校・女子校が現時点で10校以上あり、共学化を求める声がくすぶっています。各県に聞くと埼玉は「当面は現状維持」。群馬、栃木も共学校が増えていますが、全面的に共学化する方針はありません。

公立の学校が一方の性の入学を認めない制度が男女平等に反するのか、地域の教育の伝統や学校の多様性から肯定されるのかは、まさに論点でしょう。ただ、日本社会の様々な男女格差の是正は緊急性の高い課題です。都が70年間続いてきた男女別定員の廃止に踏み出したのは、時代の変化の表れといえるでしょう。

ちょっとウンチク

性別と進路「無意識の偏見」

男女別定員が問題になる理由の一つは、心と体の性が同じではない生徒への配慮を欠いていることだ。全国に目を向けると、大半の道府県が公立高校の願書の性別記入欄を廃止している。戸籍上の性は調査書などでも把握でき、東京都も22年度入試から記入を任意とする。

教育における男女の扱いの差を巡る問題は根が深い。例えば、大学の理工系学部に進む女子が増えないのはなぜか。生徒の性と進路を結びつけて考える「無意識の偏見」が周囲にあることが一因だろう。教師も保護者も、意識を変えていく必要がある。(編集委員 中丸亮夫)

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「なぜこんなことが起きているの」といった疑問、好奇心をもとに、2人がベテラン記者に質問していきます。

[日本経済新聞夕刊 2021年12月20日付]

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