
房総半島に位置する千葉県富津市の名物、黄金アジをご存じだろうか? 一般的な真アジよりも大ぶりなのに、その分、大味になることなく濃厚な味わい。
脂もしっかりとのり、かみしめるたびに口いっぱいに豊潤なうま味が広がることから、休日などに、現地の名店めがけてドライブがてら遠出するファンもいるほどだ。
そんな鮮度抜群の黄金アジを東京・練馬でも堪能できるようになった。
2021年6月末、富津直送のアジを主役にした食堂、その名も「アジ好きですか?」がオープンした。店主の嶌野雄太さんは富津市出身。
飲食の仕事に従事したいと地元を離れて東京で働き始めたことで、地元のよさに気づき、やがて地元の食材のおいしさを東京の人にも知ってもらいたいと考えるようになったという。

そこで、黄金アジはもちろん、コメや野菜、調味料にいたるまですべて地元から仕入れることに決めた。コメは富津市育ちのコシヒカリ。
黄金アジのなめろうに合わせる味噌は「千葉県優良県産品」にも選ばれた齋藤麹味噌工業所から仕入れる。刺し身にもフライにも合うしょうゆは天保5年創業、宮醤油(しょうゆ)店の「たまさ醤油」、塩は九十九里浜の海水100パーセントで作られる「山武の海の塩 えんむすび」を用意している。
看板メニューは、黄金アジをぜいたくに使ったアジフライ2種。高温で揚げた「黄金アジフライ」と、低温でじっくりと時間をかけて揚げた「プラチナアジフライ」である。