「ZEPETO(ゼペット)」は全世界で約3億人が利用する、今人気の3Dアバターソーシャルアプリ。しかもZ世代の女性がユーザーの70%を占めるメタバースだ。著名ファッションブランドやアーティストなども参入しているZEPETOとはどんなサービスなのか、その魅力を探った。

3Dアバターソーシャルアプリ「ZEPETO(ゼペット)」(画像提供:Marco Lazzarini/Shutterstock.com)
3Dアバターソーシャルアプリ「ZEPETO(ゼペット)」(画像提供:Marco Lazzarini/Shutterstock.com)

アバター用のファッションアイテムが充実

 「メタバース」というキーワードが話題になる以前から、オンライン空間で自由に交流できるサービスは存在した。その1つが、3Dアバターソーシャルアプリ「ZEPETO(ゼペット)」だ。ZEPETOは日本、韓国、中国、タイ、インドネシアなど、アジアを中心に米国でも利用されている。全ユーザー数は約3億人で、その70%が13~24歳のZ世代女性だ。日本のユーザー数は、全体の約5~10%を占めている。

 ZEPETOがZ世代の女性を夢中にさせる理由は、アバターづくりの楽しさだ。ZEPETOには最先端のファッションアイテムが多数公開されており、理想通りのアバターをいくつもつくることができる。そしてZEPETOに用意された「ワールド」で、おしゃれに凝った自慢のアバター同士が交流する、ファッション感度の高いZ世代が飛びつくメタバースだ。

 国内でZEPETOが最初に注目されたのは2018年のことだ。10代向けのマーケティング業務を手掛けるAMF(東京・港)が実施した、女子中高生が選ぶ「JC・JK流行語大賞2018」のアプリ部門4位にZEPETOがランクインしている。当時は自分の顔をアプリで撮影すると、自分そっくりなアバターが作成できる点が注目された。ZEPETOでつながった友人と写真が撮れる「フォトブース」機能もあり、SNSにZEPETOの画像をアップする人も多かった。

おしゃれなアバターを作成できるのがZEPETOの大きな魅力
おしゃれなアバターを作成できるのがZEPETOの大きな魅力

 当時ZEPETOの開発や運営を行っていたのは、カメラアプリ「SNOW」を提供する韓国のSnow。若い女性のニーズをうまくつかむ企業だからこそ、人気に火が付いたともいえるだろう。現在ZEPETOは、韓国ネット大手ネイバー傘下のNAVER Zが開発、運営を行っている。21年12月にはソフトバンクグループなどがNAVER Zに総額2235億ウォン(約233億円)の出資を決めるなど、その注目の高さがうかがえる。

 19年になると、ZEPETOは「ワールド」と呼ぶアバター同士が交流する仮想空間の機能を提供した。ワールドは企業がコラボで提供したり、クリエイターが作成したりしており、パーティールームや学校など、さまざまな世界が用意されている。ユーザーは好きなワールドに入り、その場にいるユーザーとテキストや声で会話ができる。

 現在、アバターづくりは自分の分身だけではなく、架空のキャラクターをつくり上げる楽しさへと変化している。出会った人とアバターを褒め合い、ポーズを取って写真を撮る。画像や動画はZEPETO内のSNS機能である「フィード」への投稿も可能だ。

豊富にあるワールドでチャットができる
豊富にあるワールドでチャットができる

 アスレチックが楽しめるワールドに入れば、アバターを動かしてユーザーと一緒にゲームができる。アスレチックの様子を、ゲーム実況のようにYouTubeに公開するユーザーもいる。

アバターでゲームに参加できる
アバターでゲームに参加できる

 アバターに着せるアイテムやワールドは、クリエイターが作成して販売することも可能。現在は一部のユーザーに限定されているが、アバターを使った動画を配信するライバー活動ができる。リスナーはプレゼント(投げ銭)で応援する。

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