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今どき唐揚げトレンドは? 薄い衣・大型・だしベース

からっと揚がる唐揚げ(写真はPIXTA)

新型コロナウイルス禍でテークアウトが増え、駅前や住宅地で唐揚げ専門店をよく目にするようになった。唐揚げは巣ごもりが人気の一因と聞くが、他にも理由はあるはず。唐揚げブームについて調べてみた。

「今のブームは2010年ごろから始まっています」――。こう語るのは日本唐揚協会の八木宏一郎・専務理事だ。08年のリーマン・ショックによる外食控えに加え、09年には大分県の「元祖中津からあげ もり山」や「唐揚げ専門店とりあん」が東京に進出。以降は「大分系の味付けに倣う唐揚げが増えていった」(八木さん)。

大分の中津市や宇佐市では唐揚げ専門店という形態は浸透していたが、当時の東京では珍しかった。もり山やとりあんなどは注文を受けてから鶏肉を揚げる。とりあんの大隈厚志社長は「開店当初、店頭に唐揚げがないのでとまどうお客さんもいた」と話す。

11年の東日本大震災は飲食店の唐揚げメニューを充実させるきっかけとなった。八木さんによれば、東北には養鶏場が多く、供給不足に備え大手商社がブラジル産の鶏肉を大量に輸入。だが、国内産地の回復は予想よりも早く、市場に鶏肉がだぶついた。外国産が安く入手できることに外食チェーンが着目した。

近年は大手資本による専門店の増加が目立つ。14年12月に1号店をオープンした「からやま」は全国112店舗まで拡大。「かつや」なども展開する運営会社のアークランドサービスホールディングスの坂本守孝社長は「唐揚げはおかずやおやつなど食べ方が多様なうえに、好きなおかずの上位に来る定番」と話す。すかいらーくホールディングスの「から好し」は全国に89店舗を展開する。

最近人気の唐揚げの特徴は何か。からあげライターの松本壮平さんは「(1)薄衣、(2)サイズアップ、(3)だしベースの3つがトレンド」と指摘する。以前は肉の比率が7割ほどの唐揚げもあったが、今は9割近いものもあるという。大手専門店チェーンを中心に重さも約50グラムの唐揚げが出ている。味付けは「あごだしや昆布だしなどだしベースが増えてきた」(松本さん)。

鶏肉の産地は国内やタイ、ブラジルが多い。FC店中心に約250店を出す鶏笑は「ほぼ冷凍せずにすむ国産鶏肉にこだわっている」(植元裕太常務)。一方、からやまは主にタイ産を使う。鶏肉を決まった重さにカットする現地の技術が高いためという。から好しは輸入が安定しているブラジル産が中心だ。

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