ホワイトソースのダマ防ぐ 炒めと牛乳加える温度カギ

日経プラスワン

冬においしい熱々のグラタン、手作りのホワイトソースで(大阪市)=大岡 敦撮影

ホワイトソースがダマにならない秘訣は温度にあり! よく炒める、冷ましてから牛乳を加える、混ぜながら煮込む、の3つのコツで香りよくなめらかなソースができる。

冬の寒い日には、熱々のグラタンがおいしい。色々種類があるが、定番はやはり、鶏肉やマカロニなどの具材をホワイトソースとともに器に盛り、チーズをかけて焼いたものだろう。大人から子どもまで幅広く好まれる料理なので、クリスマスや年末年始の食卓にもオススメだ。

クリーミーな食感が魅力のホワイトソースは、グラタン以外にもラザニアやドリアといったオーブン料理に使われるし、焼いた肉や魚にかけてもおいしい。小麦粉を同量のバターで炒め、牛乳でのばして煮込むだけというシンプルなソースだが、手作りはダマができてしまいそうで敬遠しているという人も少なくないだろう。今回は、ホワイトソースにダマができる理由とその回避方法を科学的に解説する。

小麦粉に多く含まれるデンプンは、水と一緒に加熱すると膨らんで、糊(のり)のような粘りととろみが生じる。これをデンプンの「糊化(こか)」と言う。汁物に片栗粉を溶き入れて加熱するととろみがでたり、お米を炊くとふっくら粘り気のある状態になったりするのも同様の現象だ。

ホワイトソースの場合、小麦粉のデンプンが牛乳の水分と出合い、加熱されることによって糊化し、とろみのある状態になる。このとき、小麦粉の粒同士が集まったまま糊化が始まると、部分的にどろっとしたかたまりになってしまったり、糊化した部分が粉のかたまりをコーティングし、その内側に糊化できなかった粉がそのまま残ってしまったりする。これがいわゆる“ダマ”だ。

ホワイトソースを作る際、はじめに小麦粉をバターでよく炒めてホワイトルーを作る。この作業には、ソースの仕上がりをよくするいくつかの効果があるが、そのひとつがダマを防ぐことだ。

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