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Jリーグチェアマン 野々村芳和氏

Jリーグチェアマン 野々村芳和氏

今年3月、サッカーのプロリーグ、Jリーグのチェアマンに野々村芳和氏(50)が就任した。1993年発足のJリーグに初めて誕生した元Jリーガーのトップである。2013年から社長を務めた北海道コンサドーレ札幌時代は営業収入を約10.7億円からコロナ禍前の19年度には約36億円まで伸ばした実績がある。2部(J2)と1部(J1)の間を行ったり来たりしていた札幌を17年からJ1に定着させた手腕も高く評価され、リーグ全体のかじ取りを託されることになった。

――初代の川淵三郎さんから数えて6代目、歴代最年少のチェアマンです。就任の際に「フットボールを基軸に考えていきたい」と話したのが印象的でした。

「フットボールとビジネスが対立したら、優先順位はフットボールにあると考えている。日本のサッカーの価値をもっと高めるために社会や地域への貢献などJクラブにはやれることがいろいろあるけれど、中心にあるのはやはりフットボールのはずだから。もちろんコロナ禍の今は非常事態というか、ビジネスを回すフェーズにあることも理解している」

――チェアマンが考えるサッカーの価値って、そもそもどういうものですか。

「自分をここまで育ててくれたもの。サッカーに限らずスポーツをすると、人生で直面する大きな壁に対して前向きに解決する力をつけてくれる。小学生の時に教わった『ピンチの後にチャンスあり』なんて今の方が本当にそうだと思える。強い相手でもグループとしてまとまって戦うと勝てる方法があるということも」

「サッカーを通して世界を見られる、感じられるということも子供の頃から気づいていた。入り口は外国人選手の格好良さだったりしても、日本国内で完結したものではないので無意識のうちに世界とのつながり、世界との違いを認識できた。今、起きている戦争にしても、あの国とこの国で見方がまるで違う。サッカーに答えはないとしても、違いがあることを学ぶ材料を与えてくれたと感じる」

「ただ、クラブの価値やサッカーへの理解は深まった気はするけれど、完全に分かる時は来ない気もする。それくらいサッカーは大きい。だからこそ、世界中でこれだけの人が熱狂しているのだと思う」

――経営者として、9年間でコンサドーレを大きく飛躍させた経験はチェアマンとしても生かせそうですね。

「クラブが強くないといけないのは確かだが、コンサドーレに熱く関わる北海道の人たちのおかげで、試合の質以外にも価値を見いだしてもらえたら、地域の人たちとつながれることをしっかりと実感できたのは大きかった。試合のレベルだけに価値があるのなら、英プレミアリーグをテレビで見ていればいいわけで」

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