預けたお金はどこに使われるか

冒頭で紹介したトリオドス銀行のような「透明性」もジャスト・バンキングの特徴の1つだ。ジャスト・バンキングの目的に沿った投融資先がわかれば、預金者は自分が間接的にどんな社会貢献に関係しているのかを自覚できる。これは電力自由化で消費者が再生可能エネルギーを使用する電力会社を選べるようになったのと似ている。

現状では、ジャスト・バンキングの市場シェアは小さく、金融システム全体を変革するまでの規模にはなっていない。しかし、これから市場が広がれば、我々が環境や社会的課題の解決に貢献できる手段が増えることにつながる。今後の動向に注目していきたい。

今週の評者 = 吉川 清史
情報工場SERENDIP編集部チーフエディター。8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」の選書、コンテンツ制作・編集に携わる。大学受験雑誌・書籍の編集者、高等教育専門誌編集長などを経て2007年から現職。東京都出身。早大卒。

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