56.48点。40代おじさんが自分の人生につけた点数だ。今回は、博報堂生活総合研究所の生活者調査による「あなたの人生は何点か」「日本で何番目に幸せか」という2つの質問結果から、40代おじさんほか各性年代の意識を探った。幸せの順位は予想通り40代おじさんが低かった一方、全体を見ても人と比較すると評価が下がる傾向が垣間見え……上席研究員の前沢裕文氏(44歳)は助言を求め、住職に話を聞いた。

 「これまでの人生を振り返って、あなたの人生に点数をつけるとしたら100点満点中何点ですか?」

 「日本人全体を100人としたとき、あなたは何番目に幸せだと思いますか?」

 そう聞かれたら、みなさんはどうお答えになるでしょう。今回は、余計なお世話かつ下世話な質問であると承知しつつ、上記2つの自己採点をしていただいた生活者調査の結果をご紹介します。

 先に結果の一部をお伝えすると、これまでの人生の点数は20~60代男女の平均で63.14点。幸せの順位は平均44.25位となりました。

 この連載で何度か述べているように、「40代おじさん」は様々なことに自信がありません。ですから、全体平均と比較して低い結果になるだろうという予想はつくのですが、どれくらいの点数・順位なのか、他の性年代との差がどこまでつくのか、気になるところです。せめて真ん中辺りだと救いがあるのですが……。

平均56.48点で40代おじさんの人生は最下位

これまでの人生を振り返って、あなたの人生に点数をつけるとしたら100点満点中何点ですか?
これまでの人生を振り返って、あなたの人生に点数をつけるとしたら100点満点中何点ですか? 出典:博報堂生活総合研究所 生活者調査(首都圏・名古屋圏・阪神圏/15~69歳男女1500人/インターネット調査/2021年7月実施)
出典:博報堂生活総合研究所 生活者調査(首都圏・名古屋圏・阪神圏/15~69歳男女1500人/インターネット調査/2021年7月実施)。以降、出典表記のないものはすべて同様

 調査結果が記されたファイルを開いてわずか数秒、無残な結末が待っていました。56.48点。最下位。圧倒的最下位。自分に厳し過ぎるのか、はたまた謙遜が過ぎるのか、唯一の50点台です。最も高い60代女性とは、実に12.3点差。これはかなりの差といえるでしょう。

 下記は、その点数をつけた理由についての、40代おじさんたちの自由回答です。

<その点数をつけた理由(40代おじさん)>
<その点数をつけた理由(40代おじさん)>

 自己採点が高い層、中間の層、低い層と、その点数と理由を並べてみれば、それぞれ納得できる感じがあります。そして、40代おじさんだけでなく、1500人すべての理由を読み込んでいくと、点数ごとに大まかな傾向が見てとれました。

100~90点台:「(家族・友人・仕事・環境などに)恵まれている」「そう思うようにしている」というコメントが多い。

80~70点台:「そこそこ」「それなり」「まあまあ」という言葉が多い。また、満足しているけれど「もっと○○できる、したい」というコメントが目立つ。

50点前後:「まだまだ」「可もなく不可もなく」「良くも悪くもなく」「普通」という言葉が多い。また、60点あたりから「後悔」という言葉が増え始める。

40~30点台:「失敗」「つまらない」や「○○しておけばよかった」というコメントが多い。迷惑をかけた、ダメ人間といったかなりネガティブな言葉も並ぶ。

20点以下:経済的な苦境、体調の不良といった理由が増えるほか、「生きがい・夢・目標がない」という理由も目立つ。

 特に、「家族に恵まれている」と回答している方の点数の高さが際立っているのですが、40代おじさんに限らず、未既婚による点数には差が表れており、未婚男性51.32点、未婚女性58.58点、既婚男性66.57点、既婚女性69.73点と、男女ともに10点以上の開きが見られました。

 また、100点をつけた回答者は1500人中109人いましたが、当然すべての方が順風満帆な人生を送ってきたわけではありません。「紆余曲折(うよきょくせつ)あったけど」「浮き沈みあったけど」というコメントも多く、100点、90点をつけた方の中でも、読むのもつらい過去の家庭環境についてつづってくださった方がいらっしゃいます。

 元も子もない言い方をしてしまえば、捉え方、考え方次第ということになってしまうのですが、幸せの順位を自己採点していただいた結果を見てみると、そのことがより際立ってきます。

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