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「インターネット上でゲームの腕を競う『eスポーツ』の愛好家が増えているらしいよ」「大手企業が大会への協賛などを通じて応援し、プロ選手も続々誕生しているね。どこに魅力があるのかな」

eスポーツについてバーチャルキャラクターの日比学くんと名瀬加奈さんが石鍋仁美編集委員に聞きました。

日比くん「eスポーツとは何ですか」

エレクトロニック(電子)スポーツの略で、球技、格闘技、戦闘、パズルなど、幅広いゲームの腕を競います。参加者がネット上で対戦し、その様子を大勢の観客が同時進行で観戦して盛り上がる点が家庭やゲームセンターでのプレーと違う点です。

ゲームはコミュニケーションツールとしても定着してきた(写真はイメージ) =PIXTA

ゲームはコミュニケーションツールとしても定着してきた(写真はイメージ) =PIXTA

大規模な大会ではまずオンラインなどで予選が行われます。勝ち抜いた選手やチームは通信速度や機材の違いで不公平にならないよう、1カ所に集められ決勝大会が開かれます。時にさまざまな国や地域から選手が参加します。

新型コロナウイルス禍以前は広い会場にプレー用の席をしつらえ、大勢の観客に囲まれて対戦する形が多く見られました。画面は特設の巨大モニターにも映されファンらが声援を送ります。スポーツの試合と似た光景です。コロナで決勝までオンラインという例が増えましたが、ネット上での観戦が可能という強みを生かし観客を確保しました。

名瀬さん「どんなふうに発展してきたのですか」

ビジネスモデルができたのは1990年代の韓国です。アジア通貨危機の苦境から脱するため政府がコンテンツとネットの振興に力を入れ、ネットカフェが急増。オンライン式対戦ゲームに若者が熱中し、イベントも盛んになりました。ゲーム専門のケーブルテレビ局も発足しプロチームが相次ぎ誕生したのです。

流れは米欧や中国に及び、大会主催者もゲーム会社や自治体へと広がりました。世界の競技人口は1億人、観戦者数は4億人を超えたとの推計もあり、今後も増加が見込まれています。

日比くん「何が人々を引きつけるのでしょうか」

ゲームそのものの面白さに加え、体格や性別、年齢を気にせず対等に戦えることが魅力です。海外の人とも気軽にプレーでき、ゲームによっては障害者と健常者が一緒に楽しめます。多様な人が参加し差別なく交流しやすいという点で、21世紀に求められる社会像とも重なるのです。

企業の参入も相次いでいます。JR東日本や東京地下鉄(東京メトロ)は駅にeスポーツを楽しめる施設を設けました。一般家庭よりも高性能の機器や回線を使える点が特徴です。NTT東日本などは大会運営と通信設備提供を担う新会社を設立しました。

ゲーミングチェアと呼ばれる疲れにくい椅子、プレー中用の食品など関連商品も広がってきました。情報技術(IT)スキルの訓練を兼ね部活動に取り入れる高校もあり、高齢者の思考力の維持に生かす研究も始まっています。

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