口の乾燥などの自覚症状があれば、ドライマウスに詳しい歯科や口腔外科を受診するようにしたい。内科系の病歴や服用薬の情報を伝え、原因を特定したうえで対策をとることになる。糖尿病や脳血管障害、シェーグレン症候群(自己免疫疾患)といった病気が原因の場合もあるので注意する必要がある。

生活習慣を見直すのは大切だ。口周りの筋力低下には「日ごろからよくかんで食べ、舌回し運動などで鍛えれば、年齢を重ねても唾液が出やすくなる」(阪井教授)。また趣味や運動でストレスを発散し、リラックスできる環境づくりを心がけよう。

笹野名誉教授は昆布だしのうま味を生かす方法を提案している。乾燥昆布30グラムを細かく刻んで500ミリリットルの水に一晩浸す。これをペットボトルに入れて持ち歩き、1日に10回、30秒ほど口に含む。だしはそのまま飲んでも吐き出してもよい。

「うま味は口腔粘膜に広く分布する小唾液腺を刺激する」と笹野名誉教授。レモンや梅干しのような酸味も唾液の分泌を促すが、乾燥した粘膜には刺激が強いため、だしのうま味が適しているという。唾液を出す訓練として試してみてはどうだろう。

(ライター 松田 亜希子)

[NIKKEI プラス1 2022年1月15日付]