毎年恒例「都道府県魅力度ランキング」2022年版の結果が発表された。トップ常連の北海道より、最下位県が注目されるこの調査。22年の最下位は佐賀県だった。発表の3日前、大東建託が独自の魅力度ランキングを公表。こちらの1位は福岡県だった。納得感が高いのはどちらの結果だろうか?

福岡県と北海道、どっちが魅力的?(写真/Shutterstock)
福岡県と北海道、どっちが魅力的?(写真/Shutterstock)

 1位よりも近年はもっぱら最下位争いが注目される「都道府県魅力度ランキング」が2022年10月8日、発表された。これは民間の調査会社、ブランド総合研究所(東京・港、以下、ブランド総研)が毎年実施している「地域ブランド調査」の1つ。13~19年まで7年連続で茨城県の最下位が続き、20年は栃木県が最下位に。21年は茨城県が“定位置”に戻っていた。

 22年は佐賀県が初の最下位という結果だった。佐賀県の田舎ぶりを自虐的に歌ったコミックソング「佐賀県」を03年にヒットさせた同県出身タレント・ミュージシャンのはなわが、この結果に悔しがるコメントを寄せた。結果発表の場が、日本テレビ系「世界一受けたい授業」3時間スペシャルの生放送番組内であり、もはやエンターテインメント化している感がある。

 最下位争いばかりが注目されてしまうが、ブランド総研の都道府県魅力度ランキングは調査開始以来、北海道が14年連続でトップに君臨している。22年の北海道の魅力度は73.3点で、2位の京都府(57.3点)に大差をつけており、その座は今後も当分揺らぎそうにない。それゆえ1位にニュース性がなく、最下位争いに注目が集まってしまう構図がある。

 実はこの発表の3日前、「街の魅力度(都道府県)ランキング トップは福岡県」というプレスリリースがあった。調査・発表元は、賃貸物件検索「いい部屋ネット」で知られる大東建託。毎年恒例のブランド総研の発表に先んじて、異なる結果をぶつけにいった格好だ。大東建託がこのタイミングで公表したランキングは、北海道が魅力度で圧倒というブランド総研の結果に対し、調査手法次第でそれは覆ることを突きつける興味深い例である。

14年連続魅力度首位の北海道が、大東建託の魅力度調査では9位
14年連続魅力度首位の北海道が、大東建託の魅力度調査では9位
出所:ブランド総研「都道府県魅力度ランキング2022」(左列)、大東建託「街の魅力度ランキング2022(都道府県)」(右列)

 なぜこのような違いが生じたのか。

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