
発光ダイオード(LED)を使った「LEDランタン」も候補になる。ガスやガソリンを使う燃焼式のランタンは室内での使用厳禁。「おうちキャンプ」が注目を集めるようになり、ガスランタンを室内に持ち込む人もいたようだが、燃焼式ランタンの使用は避けるようにしよう。
LEDランタンであれば火を使わないので安心だ。リビングルームの間接照明にしたり、寝室の枕元に置いて読書灯にしたり、使い方はいろいろだ。最近はデザインがおしゃれな品も多く登場している。インテリアとして飾っておくだけでも楽しめる。
「給電機能付きライト」は実用性が高い。キャンプではLEDランタンと同じく照明として活用できるうえ、大容量の充電式バッテリーを搭載しているのが特徴だ。電源を確保するのが難しいアウトドアではモバイルバッテリーとして重宝する。
キャンプに持っていったときには照明をメインにして、いざというときにはスマートフォンの充電などにも使うことができる。一方、日常ではモバイルバッテリーとして活用するのがよさそうだ。電源が確保しにくい場所や日帰り出張・旅行に持っていけば、「電池が切れそう」というときに活躍してくれる。
手近なところでは「アウトドア用食器」が挙げられる。落としても割れにくい金属やプラスチックなどの素材でできている食器だ。「安っぽい感じがして、自宅では使いたくない」という人がいるかもしれないが、最近ではデザインにもこだわったホーローやメラミンといった素材の食器が数多くある。
こうした食器はむしろキャンプだけでしか使わない方がもったいない。普段の食事にも料理にあわせながら積極的に活用し、アウトドア気分を味わうのもよい。
逆に言えば、プラスチック製や木製の家庭用食器をキャンプに持っていって使う手もある。アウトドアショップではなく、雑貨店などを訪れたときにキャンプに向くような食器を探してみるのも楽しみ方のひとつだ。
キャンプは普段の生活からいったん離れ、非日常の空間に身を置いて楽しむ面がある。ただそうした垣根を取り払い、日常の延長線上でキャンプを楽しむスタイルも広がりつつあるようだ。
実際はキャンプの機会がないという人も、こうしたグッズを家に持ち込んでみると、いつもと違う雰囲気が味わえるかもしれない。日常生活に取り入れてみてほしい。
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災害時の備えにも

アウトドアでも家庭でも使えるキャンプ兼用のグッズは地震などの災害が起きた際にも役に立つ。急に停電になった場合には照明やスマートフォンなどの充電用電源を確保できるほか、ガスの供給が止まったとしても、バーナーで調理することができる。
災害時専用ではなく、普段からよく使っていれば、いざというときに「使い方がわからない」といった事態も避けられるだろう。これから防災グッズをそろえようと考えている場合、こうしたキャンプ兼用のグッズも選択肢に入れてみるといいだろう。
(アウトドアライター 牛島 義之)
[NIKKEI プラス1 2022年4月16日付]