地球規模で考えるリーダー

未来のリーダーシップはどうなるのか。貧富の二極化、環境問題の顕在化、国際的な緊張の高まりなど、人類はかつてない困難にさらされる。こうした時代には、弱者の立場や地球全体を考えてビジョンを描けるリーダーが必要だという。

究極的には、食料や水、医療や教育など生活必需性の高いものは、地球規模で管理すべきだという社会共通資本の考えを著者は支持している。といっても社会主義のように国家が管理するのではなく、地球規模の専門家集団が管理する。かつてのジョン・レノンのように、国家という概念を越えた社会像を発信するのが未来のリーダーであると説く。

壮大な話だが、こうした課題が個々人に直接関係してくるのがこれからの時代だ。ビジネス界でもSDGs(持続可能な開発目標)や企業倫理の要求が高まっているのはその証左だろう。ときには目線を上げて、巨視的視点から物事を考える時間を持ってみてはいかがだろうか。

今週の評者 = 戎橋昌之
情報工場エディター。元官僚で、現在は官公庁向けコンサルタントとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。大阪府出身。東大卒。

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著者 : 酒井 穣
発行 : BOW&PARTNERS
出版 : 中央経済グループパブリッシング
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