防水タイプはコロナ下の自転車通勤に好適

ECサイトに続き、全国各地で直営店も展開。素材の特徴や製品の使い方、作り手の思いを店舗スタッフが丁寧に伝えることで顧客の納得感を高めようとした。店舗がない地方では出張展示会を実施した。

07年には西新井本店(東京・足立)に作業場を見学できるランドセル工房を設け、ブランドの根幹である職人技に消費者が触れられるようにした。10年代に始めたSNS(交流サイト)マーケティングは革製品になじみの薄かった若年層の関心を引く。色彩豊かな革製品は「写真を投稿するSNSと相性がよかった」(山田氏)。

商品面でも新機軸を打ち出した。「ブランドのひとつのアイコン商品になった」(山田氏)のが、15年に発売した「OTONA RANDSEL(大人ランドセル)」だ。直線的なフォルムと利便性はビジネスパーソンから高い評価を得る。昨年発売した防水タイプも、新型コロナウイルス下の自転車通勤の増加を理由に好調という。

現在は越境ECを活用した海外事業も展開し、米国、アジアを中心に50カ国以上に製品を販売する。昨年は室内のインテリアとしても使えるレザーバスケットを発売し、「巣ごもり需要」にも対応する。ブランドコンセプトは関心の高まるサステナビリティー(持続可能性)と親和性が高く、伝統と変化の両輪を武器に今後も成長曲線を伸ばしていく。

(山口和輝)

製品の開発・設計・生産はすべて自社内で手がける。企業理念には「時間を超えて、愛されるものを」を掲げる。日本で伝統的に受け継がれてきたものづくりの文化を守りながら、現代のライフスタイルに寄り添ったレザーアイテムを消費者に届ける。

[日経MJ 2021年9月17日付]

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