土屋鞄「大人ランドセル」 自転車通勤用でも高評価

2020年8月には六本木店をオープンした

ランドセル製造の土屋鞄製造所(東京・足立)が展開する革製品が、幅広い世代で支持を集めている。革の加工処理から組み立てまで、職人がひとつずつ手作業で行い、バッグや財布など商品のラインアップは現在約400種類にのぼる。2000年代初頭から、顧客と直接つながるチャネルを大事にしてきた戦略が花開いている。




自社ECサイトで商品の背景をていねいに伝える

創業は1965年。自宅兼工房でランドセルの製造をしていた同社の転機となったのは2000年ごろにさかのぼる。若い職人を採用するなど組織の規模が大きくなる一方、国内では少子化が進んでいた。ランドセル製品が好調だからこそ、早めに次の一手を打ちたい。そこで当時専務だった土屋成範社長のもと、バッグを中心に日常生活で使える革製品に事業範囲を広げた。

ターゲットは「ランドセルを購入した親世代」(カバン事業部の山田智子氏)。とはいえ、革製のバッグや小物は、ブランドが数え切れないほど乱立するレッドオーシャンだ。土屋鞄は04年、自社EC(電子商取引)サイトを立ち上げ、早くから積極的にネットを活用する方針を取った。

山田氏は「お客様に製品やものづくりの魅力を直接発信できる場が欲しかった」と当時の狙いを語る。ほかに選択肢がいくらでもある分野だからこそ、ネットを活用して商品の背景を伝えようとした。社内にはサイト運営を担当する部署を設置し、革の手入れや職人のインタビューなど読み物の要素を取り入れたサイトづくりにこだわった。

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