フランスから栃木へ来たブドウ 黄金色のワインに変身

2021/12/26
プティ・マンサンは風通しをよくし、実に栄養がいくよう枝を下に垂らす育て方をしている(足利市)

ワインの原料になるブドウの品種をどれだけご存じだろうか。世界的に見れば、最高峰の白ワインといわれるフランスの「ル・モンラッシェ」を生み出す「シャルドネ」や、高価すぎて一生飲めぬと思うしかない赤ワイン「ロマネ・コンティ」の「ピノ・ノワール」が知られる。

仏ボルドー地方の力強くもエレガントな銘酒「シャトー・マルゴー」は「カベルネ・ソーヴィニヨン」を主体に造られる。ドイツのモーゼル地方では「リースリング」が爽やかな素晴らしい白ワインになる。

それでは「プティ・マンサン」はどうだろう。ワイン好きの方でも、あまり聞いたことがない品種かもしれない。

黄金色に輝くプティ・マンサンのワインが入ったグラスを手に持ち、この品種が栃木県足利市に根付き、日本の風土を反映するワインになった歳月に思いをはせてみる。フランス南西部のピレネー山脈の麓で栽培されるこの品種は海を越え、同市で2006年に根を下ろした。

プティ・マンサンを熟成させている樽(足利市)

知的障害者支援施設「こころみ学園」の園生たちが草刈りや、つるを切る作業をして丹念に育て、ココ・ファーム・ワイナリー(足利市)がワインを造った。19年産のプティ・マンサンのワインは生命力に満ち、トロピカルな香りとキリリとした酸が印象的。ほのかな樽(たる)香もある。異国の地でも花開いたと首肯した。