2%と高いポイント還元率で人気だった「Visa LINE Payクレジットカード(LINEクレカ)」が、2022年5月から還元率を1%に引き下げた。そこで今回は、その代替としてメインカードになり得る高還元クレカについて解説する。年会費が無料、または実質無料で持てる7枚を厳選し、還元率を高めるテクニックと併せて紹介しよう。

クレカの還元率を高める使い方をここでマスター(イラスト/ぴーや)
クレカの還元率を高める使い方をここでマスター(イラスト/ぴーや)

 還元率が1%に半減したLINEクレカに代わり、メインカードとして利用するのにお薦めの高還元クレカを取り上げていこう。年会費が無料、または実質無料にできて、誰にでも持ちやすい7枚をピックアップした。

エポスゴールドカード

発行会社/エポスカード
発行会社/エポスカード

 通常還元率は0.5%(エポスポイントを付与)と標準的。だが、還元率をアップさせる2つの強力な技がある。

 一つ目は「選べるポイントアップショップ」。300以上の様々な対象店舗・サービスから3つを選択し、そこでカードを利用すると還元率が3倍になる。利用200円(税込み、以下同)ごとに3ポイントが付与され、1.5%相当の還元だ。よく利用する街の店舗やネットサービスなどに加えて、電気やガス、水道の公共料金、新聞や保険、通信なども選べるのがいい。

 そして二つ目が、年間ボーナスポイントだ。年間の利用額によってポイントが追加付与されるサービスで、50万円以上の利用で2500ポイント(0.5%相当)が、100万円以上の利用なら1万ポイント(1%相当)が上乗せで付与される。

 選べるポイントアップショップと年間ボーナスポイントの2つを組み合わせると、最大2.5%の高還元も可能になる。ただし、利用額が年間100万円を超えると、それ以上のボーナスポイントの付与はないため、利用額の増加に伴って実質還元率は徐々に低下していく。年間100万円ちょうどの支払いが、ポイント還元の面では最もお得だ。

 年会費は通常5000円かかるが、年間50万円以上の利用という条件を一度クリアすれば、次年度以降はずっと年会費無料で保有できる。また、一般のエポスカード(年会費無料)の利用実績を積むと、ゴールドカードのインビテーション(招待)が届く仕組みもある。インビテーションを受けてゴールドカードにアップグレードすると、初めから年会費は永年無料だ。

 インビテーションが届くエポスカードの利用実績の目安も、年間約50万円といわれている。毎月4万円強の支払いで到達できるので、ハードルとしてはそれほど高くないだろう。

 また、エポスゴールドカード保有者の家族であれば、同カードを無料で発行できるサービス「エポスファミリーゴールド」を利用できる。ゴールドカードの基本サービスを享受できるうえ、家族全員の年間利用額100万円に対して1000ポイントのファミリーボーナスポイントが付与されるようになる。前述の2.5%に加算すると、還元率は最大2.6%相当にアップする。

三井住友カード ゴールド(NL)

発行会社/三井住友カード
発行会社/三井住友カード

 通常還元率は0.5%(Vポイントを付与)。エポスゴールドカードと同じく、選択した3つのショップでのポイントアップと、年間利用額に対するボーナスポイントがある。ボーナスポイントは、年間100万円以上の利用で1万ポイント(1%相当)を付与。100万円ちょうどの利用なら計1.5%還元だ。

 選んだ3つのショップでは、還元率に0.5%の上乗せがある。コンビニやスーパー、ドラッグストア、ファストフードなどが選択可能。エポスゴールドカードと異なり、公共料金や保険、通信などは選択肢に含まれない。

 コンビニ大手3社とマクドナルドでは、タッチ決済による支払いで5%還元になる特典もある。また「家族ポイント」サービスにより、これらの店舗で還元率をさらに高めることもできる。対象の三井住友カードを保有している家族(2親等以内)を登録することで、1人につき還元率が1%アップ。5人以上の登録で最大+5%となり、計10%の高還元も可能だ。

 年会費は通常5500円だが、年間100万円以上の利用を一度達成すると、その後は年会費が永年無料になる。初年度年会費無料キャンペーンを不定期でよく開催しているので、次のキャンペーンのチャンスを待って発行するのも手だ。

楽天カード

発行会社/楽天カード
発行会社/楽天カード

 年会費無料で、通常還元率は1%(楽天ポイントを付与)。注目は、毎月開催されている、街での利用分がポイント2倍になるキャンペーンだ。これは、楽天市場で楽天カードを使って月2万円以上の買い物をした場合に、同月内は街の実店舗でのカード利用の還元が通常の2倍(100円につき2ポイント)になるというもの。つまり2%還元だ。キャンペーンの適用には、月ごとに会員サイトでのエントリーが要る。

 キャンペーン分の上乗せポイント(1%相当)の付与上限は月1000ポイント。月10万円の利用で上限となる。翌々月の末ごろに期間限定ポイントで付与され、利用期限はその翌月末まで。約1カ月間で失効するので、忘れずに使い切ろう。

リクルートカード

発行会社/三菱UFJニコス、JCB
発行会社/三菱UFJニコス、JCB

 シンプルな使い方で高還元を狙うなら、リクルートカードがお薦め。年会費無料で、基本還元率は1.2%(リクルートポイントを付与)と高めだ。利用額や利用店舗などの条件を気にせずに1.2%還元を得られる。

 ただし、電子マネーへのチャージはポイント付与の対象が限られるので注意が要る。VisaかMastercardブランドであれば、nanaco、楽天Edy、モバイルSuica、SMART ICOCAが付与対象。JCBブランドならnanaco、モバイルSuicaが付与対象となる。また還元の上限は、各電子マネーの合計で月3万円分のチャージまでだ。なお、JCBブランドのリクルートカードからnanaco、モバイルSuicaにチャージする場合は、還元率が0.75%に下がる。

P-one Wiz

発行会社/ポケットカード
発行会社/ポケットカード

 1%オフ+ポイント付与という、やや変則的な還元の仕様のクレカ。毎月のカード代請求時に自動で1%引きが適用され、さらに請求額1000円ごとにポケット・ポイントが1ポイントたまる。

 ポイントの交換先は様々だが、レートが最も有利なのはFamiPayギフトへの交換だ。250ポイントを1000円分のFamiPayギフトに交換し、FamiPayの残高にチャージできる。この場合のポイント還元率は0.4%で、請求額の1%引きとの合算で約1.4%還元となる。その他のギフト券や共通ポイントに交換する場合は、1.3%程度の還元率になる。

 カードの年会費は無料。リボ払い専用カードだが、発行後に会員サイトで支払い方法を「ずっと全額コース」に変更することで、リボ手数料が発生せずに一般的なクレカと同じ使い勝手で利用できる。

Tカード Prime

発行会社/ジャックス
発行会社/ジャックス

 通常還元率は1%(Tポイントを付与)で、日曜日の利用は1.5%還元にアップする。買い物やサービス利用の支払いを日曜日に集中させることで、高還元を実現できる。年会費は1375円だが、初年度無料かつ年1回以上の利用で次年度も無料になるので、実質無料で持てる。

セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード

発行会社/クレディセゾン
発行会社/クレディセゾン

 通常還元率は0.5%(永久不滅ポイントを付与)。最大の強みは、QUICPayでの利用で3%還元になる点だ。対応店舗でApple Pay、Google Pay、セゾンQUICPayのいずれかを使ってQUICPay払いで買い物をすると、利用額の3%が還元される。

 大手のコンビニやスーパー、ドラッグストア、ショッピングセンターなど、QUICPayを使える店舗であればお得度は高い。ただし同特典については、公式サイトに「本企画は、予告なく変更・中止させていただく場合がございます」との記載があり、いずれ終了となる可能性がある。

 年会費は1100円だが、初年度無料かつ年1回以上の利用で次年度も無料になる。3%還元の特典があるうちはメリット大だ。

 以上、LINEクレカに代わる高還元クレカについて解説してきた。クレカの支出管理が得意な人であれば、エポスゴールドカードか三井住友カード ゴールド(NL)で年間100万円を利用し、ショップ選択のポイントアップも駆使してお得の最大化を狙うのがいい。そうした細かい管理が苦手なら、還元率が高めでシンプルに使えるリクルートカードかP-one Wizを選ぶといいだろう。

 楽天カードとTカード Primeは、還元率を高める使い方が無理なくできる人なら、やはり有力候補になる。特に、楽天市場で月2万円以上の買い物をコンスタントにする人なら、楽天カードの街での還元率2倍は魅力的だ。

 いずれかをメインカードとしつつ、セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードのQUICPayを併用するのが得策だろう。

注)情報は2022年5月上旬時点。サービス内容は今後変更される可能性がある

(画像は各サービスのサイトから)

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