
加藤さんはドライヤーの収納に役立てている。家族が毎日使うが、元の場所に戻さず床に置きっぱなしになることが多かった。T型の長いフックを取り付けて、ドライヤーのための定位置にした。ちなみにS字フックも準備し、鏡や小物をつるしている。
ただタンスや引き出しなどとは違って外から丸見えの収納になるため、何でもかんでもつるしていては見栄えが気になる。加藤さんは「収納に使うのはボード全体の6割程度にとどめ、残りは余白や飾りのスペースにするのを意識している」と説明する。
ボードに収納するのは使用頻度の高いものに絞るのが大事だという。ボード自体や収納する物の色も意識する。「2色ほどに抑えると、統一感が出る」と勧める。
普段あまり使わないものは小物カゴに入れてまとめて置く・つるすなど工夫したい。隠して収納したいものもあるはずなので、別の置き場所も確保しながらうまく使い分けるのがポイントだ。
それでも何となくゴチャゴチャして見えたり、つるす位置のバランスが難しいと感じたりするかもしれない。加藤さんは「スマートフォンでボードを撮影して、全体を客観的に見てみよう」と呼びかける。フックの位置を少しずらすだけで、印象が変わってバランスよく見える例もある。いろいろと試してみよう。
◇ ◇ ◇
写真や雑貨 飾る楽しみ

有孔ボードは収納だけでなく、部屋を自分たち好みに飾るのにも役立つ。マシェリさんも加藤さんも、ボードの空きスペースにオブジェを置くなどして楽しんでいる。季節ごとにつるす雑貨を変えたり、お気に入りのポストカードや家族写真を飾る展示スペースにしたりする人もいるそうだ。
マシェリさんは「和小物を置けば、和室にも合う。小物次第でどんな部屋にもなじむし、おしゃれに見えるので気に入っている」と語る。ちょっとした工夫で部屋の雰囲気を変えるアイテムになりそうだ。
(ライター 児玉 奈保美)
[NIKKEI プラス1 2022年10月15日付]