スタッフおすすめの化粧品は動画で説明
例えば家具の売り場のタブレットで「エレガント」「スイート」などの希望する雰囲気と、寝室やリビングなどの使用場所を選択すると、そのニーズに合わせた商品や、部屋での使用感を写真で示してくれる。
ギフトの売り場ではフランフランのスタッフがおすすめする化粧品などを動画で説明。「1000円以下」から「3000円台」まで4つの予算別に応じた商品を提案する。
多様な商品を扱うフランフランでは、豊富な商品知識や提案力で客の要望にきめ細かく応える接客が求められる。ルミネ有楽町店の三宅悦子店長は「商品を使用する際のイメージなどを具体的に伝えられるほか、動画の活用でスタッフが不在でもおすすめ商品を提案できる」とタブレット端末の利点を指摘。接客や会計などで来店客にスタッフが対応できない場合でも、タブレット端末で商品提案ができ、機会損失を抑えられる。
タブレット端末で提供するコンテンツはECとも連動しており、来店客は表示されたQRコードをスマートフォンで読み取れば商品をネット通販でも購入できる。売り場面積の狭い都心部の店舗では、家具などの大型商品を陳列する十分なスペースがないため、店頭のタブレットからECでの購入を促す狙いだ。食器などのキッチン用品や雑貨の併せ買い需要も見込んでいる。
デジタル技術を活用することで、どれだけ顧客の買い物時のストレスをなくしたり、体験価値を高めたりできるか。ルミネ有楽町店での実験の成果は同社の今後の店舗戦略にとって重要なものになりそうだ。
(加藤彰介)
[日経MJ 2021年12月15日付]
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