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水処理技術開発のWOTA(ウォータ、東京・中央)は使った水の98%以上を再利用できる小型の浄水システムを手がける。2021年には英国王立財団が創設した環境賞の最終候補に日本企業で唯一選ばれた。最高経営責任者(CEO)の前田瑶介氏(29)は「使う人に寄り添った水処理の仕組みを作りたい」と力を込める。

――小型の水処理システムに特化しています。

「災害時に仮設シャワー施設になる可搬型の水再生処理プラント『WOTA BOX』や、水道不要の水循環型手洗いスタンド『WOSH』などを手掛けています。98%以上の水を再生でき、1人がシャワーするのに必要な約50リットルの水で50人がシャワーできるようになります」

「インフラの多くは大規模集中型ですが、これは暮らしのあり方と少し矛盾があります。例えば地域の人口が減ると上下水道の維持が難しくなってしまうなどの不合理がそうです。ヒューマンスケールなインフラがないと、一市民の努力ではいざという時に対処できません」

「30年には世界の淡水資源の4割が不足するとの予測があります。水問題の解決に取り組む個人や団体は多いですが、大きな成果は上がっていません。大型インフラは整備も投資回収も時間がかかります。日本のような人口減の状況では維持が難しくなります。構造問題を解決するには小規模分散型の水循環システムしかないと思いました」

WOTA(ウォータ)CEO 前田瑶介氏

WOTA(ウォータ)CEO 前田瑶介氏

――前田さんは製造業の経営者としては若手ですが、難しさはありますか。

「WOTAの平均年齢は40歳超で、私は年下の方です。水処理もデジタル技術も、一定の経験がなければ新しいものは造れないので、社員は40~50代の方が増えます。その中でリーダーをやることは、建築家のようなものです」

「建築家も、職人や工務店など、特定の分野において自分より詳しい人と一緒に、その方々だけだと造れないものを造ります。アマチュアのままで良いわけではないですが、1人の人が全ての分野でプロフェッショナルになることはできません。大事なのは目的とコンセプトをしっかり設定し、それに合致した組織の機能や技術力などを持つ会社を作ること。経営資源を適切に集め、全部一貫した状態を作り切ることだと思います」

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