ツイッターにインスタグラムと、SNS(交流サイト)はだいぶ身近な存在になった。しかし、比較的新しいショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」は、10代、20代の若者がダンスを披露するメディアというイメージが強く、30代以上の人は敬遠しがちではないだろうか。しかし、TikTokの流行には、若者向けというだけではない興味深い理由がある。
本書『ショートムービー・マーケティング TikTokが変えた打ち手の新常識』は、ショート動画が人気を博す背景を考察しつつ、TikTokを活用したマーケティング手法を、事例や人気クリエイターとの対談を交えながら紹介する一冊だ。

著者は、TORIHADA(トリハダ、東京・目黒)の取締役COO(最高執行責任者)を務める若井映亮氏。同社はTikTokを活用したマーケティング事業や、クリエイターのマネジメントを行っている。
手短に情報を得たい現代人
TikTokは、中国のByteDance(バイトダンス)が運営するスマートフォンアプリで、ユーザーが15秒から3分のショート動画を撮影、編集、投稿、閲覧ができるプラットフォームだ。2020年と21年には世界で最もダウンロードされたスマホアプリになり、月間アクティブユーザー数は10億人を突破。日本でも18年ごろからユーザーが急増している。
TikTok以外にも、インスタグラムの「Reels(リール)」、YouTubeの「Shorts(ショート)」と大手IT各社が続々とショート動画サービスを開始している。こうしたトレンドの背景には、短い時間に必要な情報が濃縮されたショート動画を好む、忙しい現代人の実情があると著者は考察する。