名瀬さん「再生可能エネルギーも影響していますか」

12年7月から、割高な再生エネのコストを電気料金に上乗せして普及を促す「固定価格買い取り制度」が始まりました。太陽光発電の出力は制度開始前の10倍に増えるなど、大きな成果がありました。

一方、買い取りのために消費者が負担する賦課金は導入初年度(12年8月~13年4月)に1キロワット時あたり0.22円でしたが、21年5月~22年4月までの1年では同3.36円と、約15倍になっています。

東電EPの4月からのモデル料金に占める再生エネ賦課金は873円と、約1割を占めます。1年前との比較では約13%増えました。制度の認定を受けた再生エネ事業が今後稼働すれば、賦課金の負担はさらに増えます。

日比くん「料金は今後どうなりそうですか」

燃料費・原料費調整制度は、石油やLNGなどの価格変動を3カ月後の電気・ガス料金に反映させます。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の急騰の影響が料金に表れるのは6月以降となり、しばらく上昇は続きます。北陸電など3社以外でも引き上げ上限に達する会社も出てくる可能性があり、燃料費の増大を料金に転嫁できなければ業績の悪化要因になります。

大手以外の新電力では販売用電力を卸電力市場から調達することもあります。燃料価格上昇に伴う卸電力価格の高騰は料金に転嫁せざるを得ず、消費者の負担となります。

ちょっとウンチク

問われるエネ多様化

燃料費調整制度が導入されたのは1996年。当初は90年代に進んだ円高・ドル安を受けた燃料コスト低減の恩恵を、迅速に消費者に還元する狙いを込めたものだった。その後、新興国の成長を背景にエネルギー価格は高騰を繰り返し、そのたびに電気料金も連動して上昇した。

ウクライナ危機はエネルギー安全保障の重要性を改めて問う。有事による供給途絶や価格高騰の回避には化石燃料への過度の依存を見直し、エネルギー構成の多様化が必要だ。高騰のたびに言われ続けてきたことを、今度こそ変えるきっかけになるだろうか。(編集委員 松尾博文)

■ニッキィとは
 日本経済新聞を日ごろからよく読んでいる女性読者の愛称として「ニッキィ」が生まれましたが、新たに2代目のニッキィとして人工知能(AI)を活用したバーチャルなキャラクターが誕生しました。日本経済新聞社の研究開発組織、日経イノベーション・ラボがスタートアップ企業のデータグリッド(京都市)の協力を得て、日経の若手社員の顔写真をAIに学習させ作成しました。
 「なぜこんなことが起きているの」といった疑問、好奇心をもとに、2人がベテラン記者に質問していきます。

[日本経済新聞夕刊 2022年3月14日付]