学び続けるスキルがある

大学によって違いはあるが、GPA2.8~3.7以上が上位者に入る。彼らに共通する資質とは何か。結論から言うと「サボり癖がない」「やるべきことをやるべきタイミングでやる」という肩透かしを食うほど地味な資質だ。しかし、著者らは「自分を律することができる」力と捉える。会社の仕事でいえば、好きでも得意でもないがやらなければならないことに対し、自分で意味づけをして楽しむセルフモチベート力につながる。

加えて、GPA上位者には計画力や責任感、地頭の良さといった「8つの特性」が1つないしは複数当てはまるそうだ。例えば「知的好奇心の高さ」も8特性の1つ。授業での内容を自ら深めたり広げたりする行動特性だ。

ある法学部の学生は、授業後に先生に様々な観点から質問をし、講義内容の納得度を高めていたと語る。このタイプは授業を聞いた上で、社会と結び付ける、他の科目との関連性を見いだすなどの傾向がある。自らより深く、より広く考えを変化させていく人材は「学び続ける」スキルの持ち主として、仕事でも活躍できると辻氏はいう。

こうした結果をもとに、GPA上位者は多くの企業がその価値を見逃している「ブルーオーシャン」と著者らは訴える。反・学歴偏重は世の流れとなっているが、「どのように学んできたか」から資質が計れるGPAを軽視するのは、採用する側・される側双方にとって、あまりにもったいないということだ。面接で何をPRしていいのか悩んでいる、就職につながる学校生活を送りたい学生にも、有用な情報が満載の一冊。

今回の評者 = 安藤奈々
情報工場エディター。8万人超のビジネスパーソンに良質な「ひらめき」を提供する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」編集部のエディター。早大卒。

日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?

著者 : 曽和 利光 辻 太一朗
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