「成績優秀」な学生は魅力的? 人事のプロはどうみる『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』

GPA(Grade Point Average)とは学生の成績を評価する指標のことだ。履修科目全体の成績の平均を算出して「GPA3.2」のように表す。米国を中心に世界で導入されており、日本では2010年ごろから一気に普及した。

このGPAで高得点を取る学生が、企業にとって有望な人材だと熱弁するのが本書『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』。早稲田、慶応義塾、青山学院など各大学でGPA上位5パーセントに入る学生84人へヒアリングし、資質や特性を分析。それらを人事視点での魅力に置き換え、GPA上位者のもつポテンシャルを描き出している。元リクルートの採用責任者で、現在は履修データセンター社長を務める辻太一朗氏と、人材研究所代表の曽和利光氏、いわば人事のプロフェッショナルが共同で筆を執った。

著者らの意図は、採用においてGPAや学業成績の意義を見直していこう、というものだ。これまで企業側は面接で「ガクチカ」(学生時代に力を入れてきたこと)は聞くものの、学業成績はさほど評価してこなかった。勉強ができても仕事ができるとは限らない、と考えるためだ。ところが、いざGPA上位者と向き合ってみると、受け身のガリ勉タイプは少なく、むしろ社会人としての美点が多い。入社後に会社にがっかり感を抱く「リアリティーショック」も、学業に力を入れた層の方が起きにくいことが明らかになってきたのだ。

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