日経MJ

時流の変化を巧みに捉え、新商品も次々と生み出してきた。1998年にひげそりなどでデリケートな男性の肌向けに、より刺激の少ない成分を配合した化粧水「薬用メンズ美顔水」を、2013年には毎日の洗顔でニキビ対策ができる固形せっけん「明色美顔石鹸」を発売。21年には「コットンでのふき取りではなく、バシャバシャと大量に使いたい若者のニーズに応える」(石田氏)べく、容量を従来の2倍に増やした大容量版も発表した。

海外展開にも力を入れる。08年に国際事業部を設立。現在は中国やオーストラリアなど18カ国に海外限定商品の洗顔フォームや美容液を展開している。

新型コロナウイルス禍のマスク生活で肌荒れを気にする人が増加。売上高は非公開だが、21年11月期の売り上げはコロナ前の19年同期比で3割増えたという。

大人ニキビ対応の商品も拡充へ

近年はSNSで高い支持を得る。理由はその独特な香り。アルコール度数が高く香料にも医薬品として使われる成分が含まれる。瓶の蓋を開けた瞬間つんと鼻につく刺激臭が「おばあちゃんの家」や「靴磨き」のにおいと似ているとして人気だ。「開発当時も口コミで広がった美顔水が現在も違う形で話題を呼んでいて面白い」と石田氏は笑う。

それでもまだ認知度はファンケルやオルビス(東京・品川)が手がける他のニキビ用化粧品と比べ低い。「美顔水は知っていても、シリーズの他の商品を知らない消費者も多い」(石田氏)。認知度向上のため、22年度は自社のSNSプロモーションも強化する。今後は30代以上の大人ニキビに対応する商品などシリーズ拡充も目指す。(大竹初奈)

1885年発売。桃谷順天館の創業者の桃谷政次郎がニキビに悩む妻のために西洋医学・薬学を取り入れ開発。2019年には日本発の西洋医学処方による化粧水として化学遺産に認定された。主力商品「明色美顔水」は880円で発売。他にも男性向け化粧水や固形せっけんなどを展開している。

[日経MJ 2022年4月15日付]


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