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ニキビ肌向け化粧水「明色美顔水」 香りがSNSで評判

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2022.5.5

明色化粧品の「明色美顔水」は発売から137年間形を変えず支持され続けている

発売から137年もの間、ほとんど形を変えずに支持され続けている化粧水がある。桃谷順天館(大阪市)傘下の明色化粧品(同)が販売するニキビ肌向け薬用化粧水「明色美顔水」だ。薬剤師だった創業者がニキビに悩む妻のために西洋医学・薬学の知識を取り入れ開発。近年はアルコール臭が強い独特な香りが話題を呼び、SNS(交流サイト)を通じて若者の間で人気を集めている。




深い青色の瓶に唐草模様をあしらったラベル。美顔水のトレードマークでもあるレトロ感あふれる容器は一部改良されてきたが、発売時から137年間ほとんど形を変えていない。

配合成分も当時のままだ。明色化粧品UX推進部の石田成美氏は「同じ成分の化粧品を他社が作ることができないことが美顔水の強み」と話す。有効成分は毛穴をふさぐ古い角質を柔らかくし除去する「サリチル酸」。肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促進しニキビ跡にも効果的だ。

創業者がニキビに悩む妻のために開発

ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑える「ホモスルファミン」も含む。ホモスルファミンは現在では医薬品の成分に分類され、既得権を持つ美顔水のみが化粧品に使用することを許されているという。

美顔水は桃谷順天館の創業者の桃谷政次郎がニキビに悩む妻のために化粧水を生み出したのがはじまり。和歌山県初の薬剤師だった桃谷は東京帝国大学(現在の東京大学)の教授の下で製薬技術を学び、西洋医学や薬学を取り入れた「にきびとり美顔水」を開発。妻が使うと肌がみるみる改善したことが地元で口コミとして評判になり、1885年に商品として販売したところ大ヒットした。

過去には天皇に献上したこともあるという。2019年には日本化学会により日本発の西洋医学処方による化粧水として化学遺産に認定された。