日比くん「それは学ぶのが大変そうです」

その通りで、学ぶ苦労があり、まだまだ人が育っていないのが現状です。世界的に見ても人手不足が深刻です。日本政府も、2030年には、データサイエンティストなどのIT人材が約45万人不足すると試算しています。

さらに国内では、データサイエンスに欠かせない統計学を学べる学部や学科がほとんどなかったことも、足を引っ張っています。先行する米国や中国とは大きな差がついてしまいました。近年は人材育成を急ごうと、大学もデータサイエンス学部などを新設し始めていますが、まだまだ足りないのが実情です。教える教員の不足も問題です。

名瀬さん「後手に回っているのでしょうか」

はっきりいって土台が弱く、足元がふらついています。とくに、基礎となるデータを大事にする科学的な態度があまり感じられません。

国土交通省の統計データの二重計上が問題になっていますが、厚生労働省による毎月勤労統計の書き換えなど、統計データを軽視するような行為が繰り返されてきました。

企業でも、製品データの捏造(ねつぞう)などの行為があとを絶ちません。このデータ軽視の風土を変えていかなければ、大幅な後れを取り戻すのは、なかなか難しいかもしれません。

ちょっとウンチク

教育改革は進行中

デジタル人材育成の鍵は教育が握る。小学校からプログラミングを教えるなど、データの扱いに慣れた専門家を育てる動きが加速している。

高校では、2022年度から「情報I」が必修になり、プログラミングなどを学ぶ。25年からは大学入学共通テストを1次試験に使う国立大学の入試で、「情報」が必須科目になる。

必修ではないが、「情報II」には「情報とデータサイエンス」という項目があり、技能を身につけて、社会に果たす役割を理解するようなカリキュラムが組まれている。(編集委員 玉利伸吾)

■ニッキィとは 
 日本経済新聞を日ごろからよく読んでいる女性読者の愛称として「ニッキィ」が生まれましたが、新たに2代目のニッキィとして人工知能(AI)を活用したバーチャルなキャラクターが誕生しました。日本経済新聞社の研究開発組織、日経イノベーション・ラボがスタートアップ企業のデータグリッド(京都市)の協力を得て、日経の若手社員の顔写真をAIに学習させ作成しました。
 「なぜこんなことが起きているの」といった疑問、好奇心をもとに、2人がベテラン記者に質問していきます。

[日本経済新聞夕刊 2022年2月14日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。