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新卒で入社した日本IBMで女性初の取締役になり、定年退職後はベルリッツコーポレーション代表取締役も務めた内永ゆか子さん。IBMに在籍していたときに設立したNPO法人ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク(J-Win)で、これまで数千人の女性役員候補に教えを授けてきた。女性リーダーを増やすためには「リーダーが充実感や自身の経験をもっと語るべきだ」と話す。

――多くの働く女性と接してきて、女性リーダー育成に足りない視点は何ですか。

「この5年ほどで女性リーダーを取り巻く環境は変わりつつあります。女性活躍の風が吹き、企業は管理職育成のため研修などに力を入れ、女性を積極的に昇格させています。そんななかで『リーダーになりたがる女性が少ない』という声をよく聞きます」

「背景の一つには本人の自信のなさがありますが、最初は自信を持てないのは当たり前です。リーダーのタイプは一つではありません。強い力で引っ張っていく人、チームづくりが得意な人、メンバーを後ろから支える人。ビジネス全体の枠組みを考えるのが得意なリーダーもいれば、それは部下に任せ、組織をまとめることに秀でるリーダーもいます。あまり型にはめて考えなくていいと感じます」

――自信がないから手を挙げないという構図ですね。ほかにも背景はありますか。

「もう一つの理由は、組織の上に行くことが、どんなに面白いかを知らない女性が多いことです。知っていたら、難しそうだとしても挑戦してみたいと思うでしょう?」

「会社という組織の中で多くの社員たちを巻き込み、自分の思いを実現できることは素晴らしい体験です。でも『出世を目指します』と宣言することは、ともすれば『えげつない』と言われます。特に女性はそう考える人が多いのです。しかし、普通は組織で上にいくほど収入も増えるし、権限も、できることも増える。会社組織というのはそういうものです」

J-Win理事長 内永ゆか子氏

J-Win理事長 内永ゆか子氏

――それでも「リーダーは楽しい」という声はあまり表に出てきません。

「多くの人は昇進しても人前では『苦労ばかり多くなって大変だよ』と謙遜します。本当はうれしくて、日々が充実していても、周りへの配慮から、人前ではそれを出さない。しかし、男性は内心を分かっている人が多いのです。一方、女性は『大変だよ』という言葉を真正面から捉えてしまう人が多い」

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