Men's Fashion

ビジネス街でアウトドアをPR 岩谷産業が直営店

Hot Zone

2022.9.24

店内はキャンプ場を意識した内装にした

岩谷産業がアウトドア用品の直営店「イワタニ・アウトドアショップ・ベース」を2021年10月に開いた。同社製造のコンロやボンベのほか、海外から輸入するアウトドア用品なども取りそろえる。同社はカセットコンロで国内シェア8割を握っているが、家庭向けの需要は成長が難しくなっている。アウトドアなど新たな用途を発信する拠点として店舗を活用するほか、来店客から聞いた声を商品開発に生かす。




初のカセットコンロ直営店の開設場所は大阪市中央区のビジネス街の一角だ。平日の昼すぎに店舗を訪れるとビジネス客とみられる男性がアウトドア用のコンロを眺めていた。店舗は平日にしか開いておらず、周囲のオフィスに勤める男性客などが昼休みや帰宅の際に来店するという。客は1日30人ほどだ。

店内に池や人工芝 キャンプ場のような内装

特徴はアウトドアを意識した店作りだ。約50坪(1坪は3.3平方メートル)の店舗のうち半分は家庭向けのコンロなどの売り場だが、残りをアウトドア向けの売り場にしている。レジの前には小さな池を用意したり、人工芝を敷いたりするなど、キャンプ場にいるような内装にした。商品も標高が高い場所でも使えるボンベや、強風下でも使えるコンロなどアウトドアを意識したアイテムを中心に140点を並べた。ネットでしか買えなかった商品も同店では販売しているという。

同社はカセットボンベを使うアウトドア向け商品を充実させた。21年には1990年代から展開していた「FORE WINDS(フォアウィンズ)」ブランドを刷新。商品のデザインをアパレルのデザイナーらに依頼して初心者でも親しみやすくした。手のひらサイズのガスランタンや1人用のコンロなど新たなキャンプの楽しみ方にも対応した新商品も相次いで発売。同社の酒井泰常務執行役員は「アウトドアなど新たな需要を発信することで、若者や女性らといった、これまで商品を手に取ってくれなかった層にも魅力を伝えたい」と話す。