コロナ禍を経た2022年、40代おじさんが何やら劇的な意識変化を遂げているようだ。博報堂生活総合研究所の長期時系列調査「生活定点」の2022年最新版を、自らも40代おじさんの上席研究員・前沢裕文氏がひもとく。浮上してきたのは、7つの意外なキーワードだ。前編は、7つのうち、4つについて詳細に見ていく。

 今から約2年前の2020年12月、この連載の第1回で“40代おじさん”の7つの特徴として、

許さない、闘わない、燃えない、
連(つる)まない、直さない、人情派、庶民派

を挙げました。

 人情派・庶民派の顔の裏にどす黒さが見え隠れする、少年漫画でいうと、いい顔して主人公に近づき、ひきょうな手を駆使するもあえなくぶざまな最期を遂げる敵キャラクターのようです。雑魚。雑兵。モブ。圧倒的小者感。それが40代おじさんであり、客観的に見た私だったわけです。自分で書いていて泣けてきます。

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 だがしかし!

 このたび公開となった、博報堂生活総合研究所の長期時系列調査「生活定点」2022年調査の結果を見ると、前回2020年調査の結果から40代おじさんの意識・行動に大きな変化が表れていました。その変わりぶりたるや、コロナ禍に最も影響を受けたのが40代おじさんと評して差し支えないほどです。

 調査結果を基に2年前と同様に40代おじさんの特徴を7つにまとめると、

律する、愛する、高める、縛られない、庶民派、
アクティブ派、アナログ派

となりました。まるで別人です。

 少年漫画でいうと、ぶざまな最期を遂げたと思っていたあいつが実は生きていて、強くていい奴になっていた。その後はもちろん、改心して仲間に加わる王道の胸熱展開です。書いていて泣けてきます。

 これだけの劇的な変貌は、コロナ禍で生活が一変したことが大きな要因と考えられます。変わりゆく日々の中で、40代おじさんが自分の生活や自分自身のあり方を「見直し」「見極めた」結果なのだと思います。

 ここから先は、具体的なデータをたっぷりとご紹介しながら、一つ一つの特徴について詳しく見ていくことにします。

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