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伝統調味料「煎り酒」を手作りで 素材生かし減塩にも

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NIKKEI STYLE

「煎り酒」をご存じだろうか。しょうゆの代わりに江戸時代中期までよく使われた調味料だ。一般的なしょうゆに比べ塩分が少なく、素材の風味を生かしやすいと近年注目を集めている。

しょうゆというと、和食には欠かせない調味料。ただ、しょうゆが普及する前は日本酒に梅干しとかつお節を入れ、煮詰めてつくる煎り酒が身近な存在だったようだ。

酒と呼ばれているものの、煮詰めてつくるので、アルコール分はほとんど感じられない。しょうゆと同じように使うが、塩分は少なめ。まろやかな味わいが食材の風味を引き立てる。

「江戸時代の寛永20年(1643年)刊行とされる料理専門書の『料理物語』に、煎り酒のつくり方が具体的に紹介されている」。江戸の伝統食を手掛ける銀座三河屋(東京・中央)社長の神谷修さんはこう説明する。室町時代末期に考案され、親しまれてきた調味料なのだという。

千利休が確立したとされる茶懐石でも、刺し身にはしょうゆではなく、煎り酒が使われていたようだ。しかし江戸中期以降、しょうゆが普及するにつれ、徐々につくられなくなっていった。

神谷さんは「肉体労働が主だった江戸の町人にはより塩分の濃いものが好まれていたようで、煎り酒はしょうゆに取って代わられてしまったのだろう。冷蔵庫のない時代では日持ちがしなかったのも大きい」と分析する。

銀座三河屋では梅干しの代わりに梅酢を使うなど試行錯誤を重ねた煎り酒を扱っている。近年では他にも長期保存できるなど工夫を凝らした多くの種類の煎り酒が買えるようになっている。

一方、煎り酒は家庭でも比較的簡単につくることができる。管理栄養士・フードコーディネーターの矢崎海里さんは「基本となる材料は日本酒と梅干し、かつお節ということになるが、ひと工夫、例えば昆布のうま味をプラスすると、だしのきいた上品な味わいに仕上がる」と助言する。

酒は塩などが添加されている料理酒ではなく、飲むための日本酒を使う。煮詰めてうま味を凝縮させるのがポイントだ。梅干しは減塩タイプ、はちみつ漬けなどの使用は避けたい。酒の中にちぎって入れて煮詰めていくが、種も周囲に果肉が付いているので一緒に入れるようにする。

矢崎さんに教わった昆布入りのレシピでつくった煎り酒の塩分濃度を測定すると、0・9%となった。ほぼヒトの体液に近い水準だ。大さじ1杯分でいうと、塩分量は0・2グラムほどになる。

ちなみに一般的なしょうゆでは塩分濃度が14~16%程度、大さじ1杯の塩分量は2・6~3グラム弱とされる。煎り酒との差は明らかだ。

矢崎さんは「使う梅干しによっても変わってくるが、煎り酒は相対的に塩分量が少ない割に味をしっかり感じられる」と話す。味見をして塩分が足りないと感じたら、しょうゆを少量加えて味を調えてもよいという。

煎り酒は塩分濃度が低く、原則として保存料も使わないため長持ちはしない。ただ熱湯消毒をした清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存すれば2週間ほどは持つそうだ。

活用法も様々だ。味が淡泊な白身魚や貝類の刺し身との相性がよく、食材のうま味や風味を存分に味わえるのはよく知られている。「鮨(すし)ト酒 日々晴々」(東京・新宿)ではタイなど白身のにぎりずしに自家製の煎り酒をハケで塗って提供している。

家庭で味わう場合、まずは食卓に置くしょうゆの代わりとして、刺し身や冷ややっこなどを食べる際に使うところから始めてみよう。

銀座三河屋の神谷さんがお気に入りの煎り酒を使った一品は卵かけご飯。「炊きたてのご飯に生卵をほぐしてかけ、わさびを少しのせて、さらに煎り酒をたらして食べるのがいい」

ゆずこしょうや粉ざんしょうといった香辛料、ごま油やオリーブオイルと一緒に使うのも手だ。あえ物にしたり、ドレッシングにしたり、使い方の幅が広がりそうだ。煮魚や焼き魚の下味を付けるのに使えば、魚の臭みを取ってくれて食べやすくなる。

煎り酒は梅干しのほどよい酸味もあって、さっぱりと食べたいときに重宝する。食欲がなくなりがちな夏にもぴったりだ。食卓に煎り酒を用意して暑い季節を乗り切ろう。

◇    ◇    ◇

夏の食卓に おすすめレシピ

矢崎さんに煎り酒を使ったおすすめ料理を聞いた。

つゆに/煎り酒のぶっかけそうめん

ゆでて冷やしたそうめんにツナ、大葉、トマトなどをのせ、冷やした煎り酒をかける。

ドレッシングに/夏野菜の焼きサラダ

切って焼いたナス、パプリカなどに煎り酒とオリーブオイル(各大さじ1)をかけて冷やす。

茶漬けに/焼きジャケの冷やし茶漬け

水洗いしたご飯にほぐした焼きジャケやミョウガ、いりゴマなどをのせ、氷水と煎り酒をかける。

(ライター 土井 ゆう子)

[NIKKEI プラス1 2022年8月13日付]

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