ひらめきブックレビュー

家事もビジネス! 「ビジ家事」で鍛える仕事力 『家事こそ、最強のビジネストレーニングである』

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キッチンのシンクにお皿が溜まり、脱衣所には洗濯物の山。リモートワークで家にいる機会は増えたものの、ゴミ出しがおっくうで部屋は片付かない――。「家事」がストレスになる経験は誰しもあるのではないだろうか。共働きで家事がおろそかになり、もっと楽にできないかと思案しているあなたに、本書『家事こそ、最強のビジネストレーニングである』にそのヒントを与えてくれるはずだ。

本書は、「家事=ビジネス」と捉え、家事を楽にこなしつつ、「分析力」「調整力」「チーム運営力」といったビジネス力を鍛える「ビジ家事」メソッドを体系化して紹介している。著者は、数々の受賞歴のある広告クリエイター。好きな家事は、皿洗いとゴミ出しという。

■家事で業務の「最適配分」力を鍛える

仕事をしていると、あれもこれもと業務をひとりで抱え込み、パフォーマンスが低下することがある。著者によると、家事を通じて業務を「適材適所」に配分する力が鍛えられるという。まず、掃除、洗濯、皿洗い、育児などを、家事という業務全体の要素と捉えてみよう。あなたはプロデューサーで、ゴールは「気持ちの良い生活の実現」だ。

例えば洗濯は、「洗う」「干す」「たたむ」といった細かいタスクに分解する。そして、家族との「家事ミーティング」により、それぞれの得意・不得意、家事のストレスや負担感について話し合い、適切な担当を割り当てる。

決めてそのままにするのではなく、PDCA(計画・実行・評価・改善)を回して改善していく。掃除の担当を決めたがタスクの完了が難しいのであれば、そもそも床に物を置かないルールに変更するといった具合だ。次第にやらなくてよい家事や、アウトソースすべきものも見えてくる。著者の場合、全員苦手な細かい水回りの掃除に限り、家事サポートサービスを頼むこともあるという。家事を適切に割り振れるようになれば、仕事でも業務を他の人やチームにうまく任せる力が身につくだろう。

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