約3万人を対象としたインターネット調査により、日本人の消費生活の実態に迫る連載企画。今回の対象は、年収500万円以上の40代前半、既婚・子持ち男性。個人年収も世帯年収も同世代男性と比べて高いのに、毎月の小遣いは同水準。慎重な消費マインドを持つ「40代おじさん」たちの、好きなブランドに迫った。

40~44歳×既婚・子持ち男性×個人年収500万円以上 (イラスト/木山綾子)
(イラスト/木山綾子)

 マクロミル ブランドデータバンクが国内の消費者約3万1000人に実施した最新の調査結果(2021年7月)から、40~44歳の既婚・子持ち男性のうち個人年収500万円以上の人々のデータを抽出。この層が好む、さまざまな分野の人気ブランドについて調べた。

 調査対象となった40~44歳の男性1380人のうち、既婚で子供がおり、個人年収500万円以上と答えたのは350人だ。この350人の平均個人年収は706万円、平均世帯年収は830万円。これは全体平均はもとより、40~44歳の男性全体の平均個人年収387万円、平均世帯年収563万円をそれぞれ大きく上回る。

 一方、月の平均小遣いは、40~44歳男性全体もこの層も3万3000円ほどで、差が見られなかった。40~44歳の既婚・子持ち・個人年収500万円以上の男性は、同世代の男性と比べて個人でも世帯でも稼ぎは多いが、毎月自由に使える金額は同水準となっている。

 この層で、1カ月の貯蓄額が「10万円以上」と答えたのは18.3%で、同世代の男性全体の11.7%より高い。この層の男性は、同世代の男性全体と比べて、「商品の評判や口コミをチェックしてから買い物をすることが多い」と答えた割合が高く、堅実で慎重な消費者像が見えてくる。

 この層の男性の興味・関心を同世代の男性と比べると、「子育て」「旅行・レジャー」が高く、「インターネット」「ゲーム」といった個人の趣味にまつわる項目が低い。価値観に関する質問では、「最も信頼すべきは友人よりも家族だ」のスコアが高くなっている。慎重な消費マインドを持ち、家庭中心の安定感のあるライフスタイルを志向している様子だ。

NIKKEI STYLE

88
この記事をいいね!する
この記事を無料で回覧・プレゼントする