ニッポンの食卓に合う日本酒を 長野・諏訪の「真澄」

2022/2/20
自社株系酵母を使って原点回帰を進める

酒と祭りは切っても切れない関係だ。6年に1度の天下の奇祭、諏訪大社の「御柱祭」が今春開かれる長野県諏訪地域も例外ではない。冬には氷点下10度を下回ることもある冷涼な気候や、豊富で良質な水を生かした酒造りが昔から盛んだ。

諏訪大社の宝鏡に名前が由来する「真澄」の宮坂醸造(諏訪市)は今年で創業360年。現在も国内で多く使われている「7号酵母」の発祥の蔵であり、「最高の食中酒」を目指して伝統を受け継ぐと同時に、技術革新にも積極的に取り組む。

諏訪観光の玄関口、JR上諏訪駅から15分ほど歩くと、玄関に酒だるが積まれた建物が現れる。酒蔵と一体になった直営店「セラ真澄」だ。同社の酒や食器などをそろえる。駅から同社までの道程には「舞姫」「麗人」「本金」「横笛」という4つの酒蔵もあり、蔵巡りを楽しむ人も多い。

直営ショップの「セラ真澄」(長野県諏訪市)

宮坂醸造は全国の酒蔵が競う鑑評会で1943年に1位をとり、広く知られるようになった。46年には上位を独占。秘密を探ろうと研究者らが訪れ、酒蔵から新種の酵母が見つかる。「きょうかい7号酵母」と名付けられたこの酵母は「醸造時の失敗が少なく、多くの人に受け入れられる味の酒ができる」(宮坂直孝社長)として、瞬く間に全国の酒蔵に広がった。