
「アウディQ5」から派生したニューモデル「Q5スポーツバック」が上陸。クーペスタイルのスポーティーなフォルムと、最新のディーゼルパワートレイン「40 TDIクワトロ」が織りなす走りを、ロングドライブに連れ出し確かめてみた。
買い得感のあるファーストエディション
Q5スポーツバックは、BMWでいうと「X4」、メルセデスなら「GLCクーペ」に相当するQ5のクーペ版で、ベースとなる現行2代目Q5のデビューから約4年遅れの追加となった。Q5といえば、日本でもマイナーチェンジモデルが2021年2月に上陸しており、今回のQ5スポーツバックも、ハードウエアはその最新型Q5と同様である。ちなみに本国ではマイチェン版Q5が2020年6月、スポーツバックが同年11月に登場しており、日本での発売は全体に8カ月ほど遅れているが、両車のタイムラグはほぼ同じだ。
車体そのものにおけるスポーツバックならではの造形は、リアに向けて弧を描いて下降していくルーフラインや、強く傾斜したリアゲートなど、センターピラーより後方にかぎられるようだ。実際にはさらに、前後バンパーやグリルの意匠も差別化されている。上級スポーツモデルの「SQ5」を除けば、日本のQ5スポーツバックに用意されるエンジンは、ひとまず2リッターディーゼル=「40 TDIクワトロ」のみである。
今回の試乗車は“記念限定車”の名目で先行輸入された「ファーストエディション」だった。これはカタログモデルでいう「40 TDIクワトロSライン」をベースに、通常はSQ5専用装備となる「マトリクスOLEDリアライト」を備えるほか、コントラストペイントやコントラストカラー20インチホイール、ダンピングコントロール付きサスペンション、ファインナッパレザーシートなど、通常はオプションあるいは設定のない装備の数々をトッピングしている。
まあ、これら特別装備の内容は通常オプションのそれと微妙にちがうのだが、ベースモデル比でプラス50万円というファーストエディションの価格設定には、まずまずの買い得感はある。マトリクスOLEDリアライトのOLEDとはいわゆる有機ELのことで、最近のアウディが順次導入している新機軸だ。通常のLEDライトにはない、浮き上がるようなグラフィックと、後続車に接近を自動警告する機能などがOLEDリアライトの売りだ。



