アキレス腱断裂・肉離れ スポーツの秋、ケガどう防ぐ

日経プラスワン

気持ちよく運動できる季節がやってきた。楽しく健康づくりのためのスポーツを続けるには、ケガや運動のし過ぎによるスポーツ障害の予防がかかせない。年代ごとにどんな注意をすべきか専門家に聞いた。

正しい運動習慣づくり。それは初めて歩いたときから始まる。スポーツ庁の調査では、幼児期の「外遊び」の時間が6~10歳の運動能力を左右することが分かった。

子供の外遊びの時間が減るなか両親が子供の運動習慣をサポートすることも重要になってきた。茨城大学教育学部の渡辺将司准教授は「全身の筋肉を使うボール遊びがお勧め」だという。柔らかいボールなどで、投げる、捕る、蹴る、打つなどいろいろな動作を遊びながら行い、運動の楽しさを体験させたい。

幼児期に体の使い方を学ばないと、軽い運動でも思わぬケガにつながる。大垣中央病院(岐阜県大垣市)の臼井正明理事長は「片足立ちが5秒も続かない、足裏をつけてしゃがむと後ろに転ぶといった『子供ロコモ』が増えている」と警鐘を鳴らす。「子供ロコモチェック」(図左下)で子供の基本的な運動能力を確認しておきたい。

小学生になると少年野球、少年サッカーなどに参加する学童も増える。順天堂大学医学部の斎田良知特任教授は「この時期は骨の伸びに筋肉の成長が追いつかず、筋肉が腱(けん)で付着する骨や軟骨部分などに障害が起こる骨端症を発症しやすい」と注意を促す。

野球の投手の「野球肘」やジャンプや屈伸の繰り返しで膝下の脛骨(けいこつ)が出っ張って痛む「オスグッド病」がその代表だ。対策は「同じ動作を繰り返さないこと。周囲も、一つのスポーツだけでなく多様な運動を楽しく行うようにアドバイスしたい」と斎田特任教授は話す。

心と体が急に変化する思春期には、一時的に運動の技能が低下する「思春期不器用」という現象がある。渡辺准教授は「この現象で運動が嫌いにならないよう『そんな時期もあるさ』と周囲が見守ってほしい」とアドバイスする。