オリジナルは「型」の更新で生まれる
しかし、見たものを言語化するだけでは、アイデアにつながらない。観察の対象を「まねして、型に気づく」ことが鍵となる。
仕事や趣味などで自分と一流の人を比較し、その差にがくぜんとしたことがあるだろう。だがそれはチャンスだ。その差を「観察サイクル」を用いて検証し、一流の人の「型」を見つければいい。そして徹底的にまねるのだ。そのうち、型をアレンジするなどして自分の個性を出したくなる。他にはないオリジナリティーは、型を自分なりに更新することで出現すると著者は考察する。
編集者として言葉と向き合ってきた著者ならではの観察力の鍛え方は、マンガ家などクリエイターと称される人だけでなく、新しいアイデアを模索する人にとっての一助となるはずだ。まずは身近にいる「尊敬するあの人」や「クリエイティブなあの人」を明日からじっくり観察してみてはいかがだろうか。
今回の評者 = 倉澤順兵
情報工場エディター。大手製造業を対象とした勉強会のプロデューサーとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。東京都出身。早大卒。
情報工場エディター。大手製造業を対象とした勉強会のプロデューサーとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。東京都出身。早大卒。