日経MJ

20年以降は、新型コロナウイルスの感染拡大が市場縮小に拍車をかけた。在宅勤務が広がったほか、結婚式などのイベントも激減した影響で、タケオキクチの売上高は、最悪期で半分程度まで落ち込んだ。

雑貨を強化 男性へのプレゼント需要を掘り起こし

厳しい市場環境が続くなか、売上高の回復を支えたのが、雑貨の強化だ。雑貨の商品点数をコロナ前と比べ2~3割拡充した。

以前からアクセサリーやネクタイといった小物を展開してきたが、巣ごもり消費の傾向が強まった過去2年間は、ルームシューズやブランケットといった在宅向けの商品まで取り扱いを拡大した。

販売では、ECとの連動を進めた。父の日やクリスマスの時期にECサイト上で商品を提案。衣料はサイズ選びで贈りづらいが、雑貨はサイズを問わないため、実店舗で商品を確認できない場合でもECなら選びやすいという。タケオキクチはコロナ前は実店舗を中心として展開してきたが、21年の売上高に占めるECの比率は初めて2割を超えた。

こうした戦略が、男性へのプレゼントを購入する女性客の取り込みにつながった。設立時は顧客の9割以上が男性だったが、女性の購買比率は約4割に達し、タケオキクチ全体の足元の売上高はコロナ前の9割まで戻った。

尾関氏は「男性向けアパレルブランドで、ここまで客層が広いのは他にない」と強調する。50周年をみすえて、老舗紳士服ブランドの挑戦は続く。

(平岡大輝)

ワールドが1984年に立ち上げたメンズブランド。ブランド名は初代デザイナーの菊池武夫氏からとっている。百貨店やアウトレットを中心に国内101店舗、海外では台湾とタイに合計12店舗を展開。英国風のデザインが特徴で、スーツからカジュアル衣料、雑貨まで販売する。

[日経MJ 2022年8月12日付]


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