突然胸の痛みが… 狭心症、放置すれば心筋梗塞の恐れ

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締めつけられるような胸の痛みが突然起こる狭心症。しばらくすると治まり、その後症状がない例も多い。ただ心筋梗塞や突然死につながる可能性はある。もう痛みがないからと放置せず、医療機関を受診しよう。

狭心症では心臓に血液を送って酸素や栄養を届ける冠動脈の一部に異常が起こり、胸の痛みが起こる。冠動脈が狭まって血液が流れにくくなったり、冠動脈に異常なけいれんが起こったりする。

冠動脈に脂質の一種であるコレステロールなどがたまっていくと、「プラーク」と呼ばれる膨らみができる。この状況で運動など負荷がかかって起こるのが「労作性狭心症」だ。進行すると、プラークが裂けるなどして血栓(血のかたまり)ができて、さらに血流が悪くなる。これが「不安定狭心症」。血管が詰まって血流が途絶える心筋梗塞になりやすい状態だ。

脂質異常症や高血圧など生活習慣病が関係しているとされる。昭和大学医学部の木庭新治教授(循環器内科学)は「なかでも不安定狭心症は短期間で心筋梗塞を引き起こす危険性が高い」と説明する。

冠動脈にけいれんが起こる「冠攣(れん)縮性狭心症」は必ずしも運動などに伴って痛みが起こるとは限らない。夜間から早朝に起こる例が目立ち、目が覚めてしまう場合もある。原因は明らかになっていないが、喫煙やストレスなどが関係すると考えられている。

木庭教授は「血管が狭まっている部分がけいれんして心筋梗塞につながる場合がある。危険な不整脈を起こせば、突然死の原因にもなり得る」と強調する。

どのタイプにも共通する主な症状は締めつけられる、圧迫されるような胸の痛み。胸以外に肩や喉、奥歯、背中、みぞおちなどが痛む例もある。労作性狭心症の場合は普段利用する駅の階段や坂道で痛みが出て見つかることが多い。通常は少し休むと痛みが引くが、長引くようになったり、起こる頻度が増したり、安静時にも起こるようになったりしたら、不安定狭心症に進んでいる可能性がある。

循環器を専門とする小岩医院(東京・江戸川)の海老原敏郎院長は「胸痛が30分以上続く場合、ためらわず救急車を呼ぶべきだ。心筋梗塞を起こすとダメージが大きく、その前に治療するのが大切になる」と助言する。

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