日経MJ

一方、2008年にはJouete(ジュエッテ)を設立。フランス語でおもちゃという意味の「Jouet(ジュエ)」と「ete」を組み合わせた造語だ。ジュエッテの広報担当の河田怜子氏は「おもちゃを手にした時のワクワクした気持ちを大人でも感じられるようなジュエリーを目指している」と話す。

定番商品は1000アイテム以上。よりカジュアルさを重視し、素材も合金やシルバーを中心に扱うため、エテの商品と比べて安価だ。一方、エテと同じ年齢層を狙う。「エテは特別なシーンに、ジュエッテは普段使いにとすみ分けを狙う」(河田氏)

男性用の指輪も用意

女性をメインとするエテに対し、ジュエッテは性別を問わずに支持を集める商品が多い。指輪では大きめの号数を用意し、男性モデルを積極的に起用した。

両ブランドで共通するのが質の高い接客だ。毎月新商品を販売する際には商品企画担当と店舗の責任者が集まり、半日~1日がかりで商品のコンセプトや販促方法について話し合う。「デザイナーの思いなどを販売員と共有でき、店頭で集めた顧客の声なども吸い上げられる」(田村氏)

売り上げは好調だ。22年3~9月の売上高はエテで前年同期比2割増、ジュエッテで同3割増だった。21年にはエテ内で高価格帯ブランド「ete bijoux(エテビジュー)」を立ち上げた。「20代がいつか身につけたいと憧れるようなブランドを目指す」(田村氏)。現在は約160の定番商品を持つ。今後は海外の有名ブランドと肩を並べられるように育てていくことが目標だ。

(大竹初奈)

ミルクが1994年に立ち上げたジュエリーブランド。同年に大丸梅田店(大阪市)に1号店を構え、関西中心に店舗を拡大。2000年には旗艦店となる青山本店(東京・港)をオープンした。08年にはよりカジュアルなブランド「Jouete」を設立。現在では両ブランド合わせて全国100店舗以上を展開しているほか、EC(電子商取引)で販売する。

[日経MJ 2022年11月11日付]