「小さな変化」から未来を予測 プロ投資家の技法とは『プロ投資家の先の先を読む思考法』

先が見通しにくい時代と言われる。急激な技術の進化、感染症の拡大など予測が難しいことは多い。しかし、ビジネスの現場では、投資、転職、事業計画の策定など、ある程度の見通しが必要な場面がある。

何とか未来を予測したい人に、本書『プロ投資家の先の先を読む思考法』が役立ちそうだ。著者の藤野英人氏はレオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長で、32年以上の投資歴を持つファンドマネージャーだ。藤野氏は「未来は予測することができる」とし、「先の先」を読む思考法とその力を養う方法について解説している。

多方面から情報を収集

著者によると、3カ月~半年後といった短期的な株価の先読みは「たまたま」「なぜか」の要素が大きく難しい。しかし、2~3年先であれば企業の利益と連動するため、ぼんやり予測できるようになる。株式投資で長期投資が大切とされるのはこのためだ。

さらに、「先の先」すなわち10年後、20年後の未来がどうなるのかを予測するには、目の前で起きている「小さな変化」を捉えることが重要という。そのために「今」を知り、思考を広げ、判断材料を集める。例えば、著者は20代前半の経営者たちと面談し、彼らの言葉や考え方に触れる。ツイッターで意識的にランダムにフォローしている約3万人のツイートを流し読みして様々な意見を知る。深夜のファミリーレストランで聞こえてくる会話に耳を澄ませることもある。

地道な作業に思えるが、こうした努力をしなければ情報が「偏ってしまう」と著者はいう。ビジネスに限らず日常生活においても誰もが意識しておくべきことだろう。多方面から情報を集め、多角的に物事を眺めることが「先の先」を読むための基礎になる。

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