日経プラスワン

正面からイルミネーションを撮っても、写真には限られた範囲しか写らない。かといって全体を入れようと引いてしまうと、迫力に欠ける。対角線構図をうまく使うと、街路樹に沿って輝く電飾の迫力を十分に見せることができるのだ。

ドラマチックな一枚を撮るなら、マジックアワーを狙うのもいい。マジックアワーとは、日の出後や日の入りの少し前の数十分間のこと。太陽の残光で、淡い青やオレンジ色の柔らかい色合いの空が見られる。イルミネーションを撮影するなら、日没の数十分前から準備しよう。完全に日が暮れると背後の建物などは暗く沈んでしまうが、空の明るさが残っているマジックアワーなら、背後も比較的はっきり写すことができる。表情豊かな写真が撮れるだろう。

遠くにあるものを拡大して撮ろうと、デジタルズーム機能を使うのはNGだ。夜間は画像が荒くなりやすい。アップで撮りたい場所はズームではなく、被写体にできるだけ近づいて撮るといい。

鈴木さんのアドバイスは「写真は引き算で考える。目の前の風景をすべて写そうとするのではなく、引き立てたい被写体をしっかり決めて、範囲を絞るといい」。プロのような洗練された一枚を撮るには、あれもこれもと欲張らないことも大切だ。

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人物の正面からも光を

イルミネーション会場で人物を撮影すると、背後の電飾に比べて顔が暗く写ってしまいがちだ。人物もきれいに写すには、街灯や道路沿いの建物の照明などを利用するといい。光が人物の正面からも当たるようにして撮影すると、顔も明るくなる。補助ライトとして、同行者のスマホのライトを当てるのもおすすめだ。

明るさが足りているかは確認が難しいので、自撮りで試してから撮影するといい。またスマホカメラの「ポートレートモード」なら背景をほどよくボカしてくれるので、プロが撮ったような仕上がりになる。

(ライター 藍原 育子)

[NIKKEI プラス1 2022年1月8日付]