人気イラストレーターとコラボで限定品
そこでちふれは2020年、「くらしと、ともに。」のスローガンを軸に、ブランドの再定義に踏み切った。「暮らしの負担になることなく、安心して美容を楽しむブランドだというメッセージを改めて打ち出した」。中村俊彦社長はこう説明する。
近年のSNS(交流サイト)や動画サイトの登場はブランドにとって追い風になっている。メークの使用感や色味を発信する人が増えたことで、自分でも試してみようと近くの店で製品を手に取ってくれる人が増えたからだ。口紅やマニキュアはワンコイン(500円以下)で買えることもあり、さまざまな色を使い分けてメークを楽しみたい人からの支持は厚い。
近年は容器デザインにも力を入れている。21年には人気イラストレーターとコラボして絵柄をプリントした化粧下地やフェースパウダーを限定発売。「かわいく洗練されている」と手に取る若者が増えた。今年はデザイナーを志す人向けにデザインコンペを初開催、選出されたデザインの製品は12月から限定発売している。
中村社長は「若いころにちふれに触れてもらうことで、子育て期など手ごろな化粧品を選びたくなる時期にも想起してもらえるブランドでありたい」と話す。来春には写真家とコラボするなど、思わず手に取りたくなるデザインを追求する。
(増田由貴)
ブランドは50年にわたり、顧客の要望に応えながら進化してきた。新製品は春と夏に発表するのが通例だったが、今年は初めて、ホリデーシーズン向けの限定色・デザインのメーキャップシリーズを10月に発売した。青や赤のマスカラやオレンジのアイブローなど、流行のカラーアイテムもそろえる。企画開発担当の桜井悠取締役は「身近にホリデー限定色を楽しんでいただきたい思いで発売した」と手応えを感じている。
マスク着用が一般化した中でニーズが増えている新しいメークアイテムも、新製品として近く投入する。生活の中で負担なく使えるさまざまなアイテムを提供するために、顧客の声で品ぞろえに磨きをかける。
マスク着用が一般化した中でニーズが増えている新しいメークアイテムも、新製品として近く投入する。生活の中で負担なく使えるさまざまなアイテムを提供するために、顧客の声で品ぞろえに磨きをかける。
[日経MJ 2021年12月10日付]
「ブランド VIEWS」記事一覧